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貴重な歴史写真を本紙が独自で初公開
日本の南京大虐殺の動かぬ証拠をまたひとつ暴く《中国青年報》
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棲霞難民キャンプ

(1937年の冬〜1938年の春)

写真提供/(ドイツ)エディータ・ギュンター、アニータ・ギュンター 筆者/『中国青年報』記者 戴袁支

1937年12月13日、中国を侵略した日本軍は南京を占領し、市街区と農村で大虐殺を始めた。南京江南セメント工場の歴史档案の記述より、“(民国)26年(1937年)の冬、棲霞山は非常に大勢の各地からの避難民で密集した、……幸頼昆徳(Dr.Karl Gunther,現代語訳の「ギュンター」)博士は江南セメント工場に難民区を設けて、男女難民の約4,5万人を収容した”,“ギュンター博士は危険にさらされながら、我等の同胞の4,5万人を救った”。正義、良識と人道により、ドイツのギュンターと一緒に中国の難民を保護したのはデンマーク人の辛波(現代語訳の「シンバーグ」)、牛爾森【ニールセン?】である。

中国を侵略した日本軍による南京大虐殺の際に、棲霞寺に逃げ込んだ難民は、日本兵の焼殺と略奪と侮辱を受けた;にもかかわらず江南セメント工場の難民区に逃げ込んだ難民は、ドイツ人のギュンターとデンマーク人のシンバーグの保護を得た。ギュンターとシンバーグはこの工場難民区の東、南、西の三箇所に交差してドイツとデンマークの国旗を立てた、難民区北側の工場には各自の国旗を掲げた。跳びこんで来る日本兵に遭遇すると、ギュンターはその海外に居住する「同盟国」の同胞の身分を前面に出したので、日本兵はおそれをなし乱行や悪事を働くことはなかった。彼とシンバーグは難民達から「守護神」と見なされていた、今年の9月になって、当時の南京棲霞難民の何人かは、もしドイツ人の「老昆【当時のギュンターを尊敬した呼称】」がいなければ、民衆の死は更に増えていたのは間違いないだろうと記者に対して言っている。

今年の8月、本紙記者は金存桐氏にドイツでギュンター博士夫人を探すように頼んだ、ギュンター夫人はギュンターの姪から60年余り保存していた41枚の写真を取り出して本紙に提供した。歴史学者の説明によれば、これらの写真は高い史料価値を備えており、大部分が国内で初めての発見である。当版で掲載するのはその中の数枚である。

日本軍の監視兵

中国を侵略した日本軍の監視兵

1937年の末と1938年の初め、南京城内と、棲霞山村で、邪悪と正義、残虐と良知、獣性と人道、このように両者の立場は、はっきり分かれている、このような対峙を比較すると:1つの陣営は難民達に対してはばかることなく殺戮、強姦、略奪、放火を行い;1つの陣営は難民達に対して力を尽くしてかばい、救助、治療を行い、彼らのために訴えた。

 
ギュンターと女性の難民

ギュンターと女性の難民

この写真にはギュンター夫人の説明は書かれていないが、しかし江南セメント工場档案に記載されている:「当時の日本の残虐行為のもと、難民区の女性を強姦する意図で突入する日本軍に対し、いつもギュンター博士は昼夜を分けることなく、通訳を連れ立って勇敢に立ち向かい、それとなく忠告してやめさせた。」これはギュンターと彼の保護を受ける女性難民が一緒に写ったものである、女性難民の顔には笑顔が浮かんでいる。時期はすでに1938年の春であろう、天気は暖かさを取り戻し、ギュンターはすでに一枚の上着に着替えており、女性難民はまだ冬の服装を着ている。


 
江南セメント工場の難民キャンプ

江南セメント工場の難民キャンプにて、

子供を抱いている老人は人文字型の低いあばら家に住んでいる。ベルンハート・アルプ・シンバーグ氏(Mr.B.A.Sindberg)はデンマーク国旗を挙げ、こぼれるような笑みを浮かべて女の子の頭をなでている。今まで南京大虐殺の史料にはシンバーグの写真は無かったので、これは64年後に人々が初めて彼の姿を目にするものとなる。シンバーグ、あなたの親族は今どこにいるのだろうか?

 
棲霞山寺

人道のために関係各位に訴える

この写真は南京の棲霞山寺を撮影したものである。 1938年1月4日〜19日までの、16日間に日本軍は棲霞寺に11回に突入し、彼らは殺人、放火、強姦、略奪を行った。

1938年1月25日に棲霞山寺の住職が起草し、難民を代表して20人の知名的人士が署名した書簡の表題は『人道のために関係各位に訴える』で、ギュンターがこの書簡をドイツ語に翻訳した。現在この書簡はドイツ書類保存館ポツダム分館にある。

 
江南セメント工場

江南セメント工場

 
滾地龍

滾地龍

江南セメント工場難民キャンプの概況。明らかに難民キャンプの藁ぶき小屋の『滾地龍』の上にデンマークの国旗が挿し込んである。この写真にはギュンター夫人による説明が書いている:「セメント工場内の難民」。

 
保護を求める村民

保護を求める村民

今年の9月上旬に、8年間ギュンター博士のコックをしていた、今年84歳になる賈有永老人が記者に語るところによると、ギュンターは王に連夜ドイツとデンマークの両国の国旗を裁縫してもらった。東は西渡溝、南は梅墓、北西は棲霞駅に「難民区」の標識を建て、そして交差して両国の国旗を立てた。工場内の難民区は湯山、花園、龍潭、北墟、樟橋、華墅と句容にある鮑亭などの地域から来た難民である。撮山街の戴という苗字の老人の話だと、日本軍は棲霞寺で悪事の限りを尽くたため、寺にいた一部の難民は山を越えて工場の難民区に来た。梅墓村の老人の話では、難民のアンペラ小屋は平地では満杯だったので、山に組み立て居住した。

この写真から判ることは、「畜生と逆に逃げる(避難する)」江南セメント工場に入った婦人と子供は、布団包みの上に座っている。今年8月、80歳を越えるギュンター婦人が自らこの写真に説明を書いた:「セメント工場内で保護を求める村民」。

 
負傷している難民たち

江南セメント工場難民キャンプ

江南セメント工場の難民が居住するアシのアンペラ小屋を背景に、撮影したこの7人は、左手は負傷している、左手で竹ざおをついている、左腕に包帯をして、首にガーゼを掛けてつるしている、頭に包帯をして、頭部から顎までガーゼを巻き付けて いる、首をすぼめて肩に担いで、骨と皮ばかりに痩せこけている。

アメリカのイエール大学神学院図書館にある『ベイツ文献』の中に保存されているのは、B.A.シンバーグが処理した記録と、スマイスが書いて日本大使館に引き渡した日本軍暴行の若干の事例の記録である。記載には江南セメント工場の難民キャンプまで逃げた人の中には、日本軍の大虐殺より九死に一生を得た中国兵と、日本軍に傷つけられた罪のない農民がいた。

手榴弾によって「左手を損傷」した者がいる;日本軍が死体を燃やす時に撒いた硝酸で足に火傷をした者がいる、「日本兵に右足を損傷させられて、骨は完全に折れた」;「(日本軍に)銃剣で突かれ左腕を傷つけられた」者がいる、「左腕に重い銃剣の傷痕がある」、「銃弾が左腕を貫通した」、「左腕に銃弾の傷」がある;「頭に軽傷を受けて逃げ出した」者がいる、「日本軍の軍刀により彼は頭部と頚部を刺されて、その傷は頭蓋骨まで至った。」;「肩を負傷」、「頚部と肩を銃剣で刺された傷がある」者がいる;頭、腕、手と体の左側に日本軍の刀で切られて重傷を受けた者がいる。

新発見の歴史写真が、記録した彼らは負傷者の中の一部分だと思う。1937年12月20日の『ラーベの日記』に記述では、かつてシンバーグは数名の負傷した中国人を南京まで送り届けようとしたが、途中にいた日本人がこれらの負傷者を通行させなかった。

 

(『中国青年報』2001-09-15)
http://www.cyol.net/gb/special/2001-09/17/content_298045.htm

地図:クリックすると拡大

翻訳した熊猫さんによる訳注

【原文中の記述ミスと思われるもの、或はその可能性があるもの】

麋集(mi2ji2)→密集(mi4ji2)発音は同じですが意味が違います。麋集は「ヘラジカが集まる」、密集は「密集する」 訂正して翻訳。
尋找(xun2zhao3)→找尋(zhao3xun2)文字の順番が逆になっている。找尋は「尋ねる・探す」 訂正して翻訳。
華墅(hua4shu4)→樺墅(hua4shu4)発音は同じですが全く別の地域。華墅は折江省、樺墅は江蘇省にある地名。 原文のまま翻訳。

【以人類的名義,致所有与此有関的人】

直訳:人類の名義をもって、全ての関係者に与え致す。
タイトルはカッコよく訳したいのですが、混乱を避けるため「日中戦争史資料9南京事件U(河出書房新社)P194」より引用して「人道のために関係各位に訴える」と訳すことにします。同書では「棲霞山寺よりの覚書」と訳されていますが、「覚書」より「書簡」と訳した方がよいと思います。「2月3日のラーベの日記」では「ギュンターさんの手紙」と訳されています。

【原文を素直に翻訳していない箇所】

酸液(suan0ye4):酸性の液体(硫酸・塩酸等)の意味ですが、前後の文章より硝酸(NHO3)と訳しました。「中国の旅」本多勝一(朝日新聞社)P262(文庫本はP231)に「工業用硝酸をぶっかけることもある。」とありますが、同様の被害者の記述ではないかと思います。

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