背景は、写真77=侵略した日本軍が虐殺した中国難民の死体の山 著者は「昭和22年の南京裁判に証拠として提出されたというのであれば、その後に大いに使われてよかったはずだが、どうして1980年代まで出てこなかったのであろうか」(P.142)といいながら、この写真をなぜか読者の目に触れないようにしています。 画像資料検証専用掲示板の記事明瞭な画像を見る「噛めばかむほど味が出てくる写真集」本文は下方です)

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噛めばかむほど味が出てくる写真集

東中野修道さん等が書かれた1575円の本、『南京事件「証拠写真」を検証する』は、定価の割にはとっても有益な写真集です。何よりも写真が豊富です。何よりも争点がわかります。

南京事件「証拠写真」を検証する
東中野修道、小林進、福永慎次郎著
2005年2月8日第1刷 草思社発行
(2月21日第3刷を私は所持)

『自由主義史観』を標榜する著者は、この本に限っては持論である「南京大虐殺はなかった、南京事件は捏造である」を主張するものでなく、「南京大虐殺を証拠立てる写真があるのかないのか」を客観的に検証したとのことです。その結果、「証拠写真として通用する写真は1枚も無かった」との結論が得られたそうです。

私も30万人もの大虐殺があったかどうは疑問に思っています。ですが、死亡者の”数”は埋葬記録を検討すれば良いのでして、写真で検討すべきものではありません。個別の写真が語っているのは個別の残虐行為です。

写真が語る残虐行為が、果たして真実なのか、果たして日本軍のしたことなのか、それを検討するのが写真の検討です。その点でこの本は、噛めばかむほど味が出てくるといえましょう。『自由主義史観』であろうと『ぺけぺけ主義史観』であろうと、はじめに結論ありき、で写真を読んではいけないのは当然です。

1回目に読んだときは、
「肯定派の写真の使い方は随分乱暴だな」と著者の主張にうなづき、『やっぱり南京大虐殺は無かったかもしれないな』と思います。
2回目に読んだときは、
「だが待てよ、著者が立てる前提は確かかな」と思い、少し疑問が生まれます。
3回目に読んだときは、
「この写真、撮影可能な人間はだれなのだろうか」を一枚々々について考え、日本人が撮影した写真が殆どであることに気がつきます。
4回目はそうして、
中国側の陰謀的『撮影工作』による捏造なのか、それとも本当に当時の中支派遣軍が為した残虐行為なのか、一枚々々の写真検討の蓄積が問われます。

この本には、もちろんいくつかの弱点があります。写真の初出、流通経路を問いながら The China Weekly Review など当時の英字写真誌を軽視しています。また、写真が複数コピー可能なメディアであることを無視しています。また、自分で立てた仮定を否定すれば写真も否定できると思い込んでいます。また、「南京虐殺はプロパガンダによるまぼろしである」という結論まずありきから「南京大虐殺を証拠立てる写真はなかった」が導かれています。どうも『自由主義史観』とは、自由な立場から歴史事実に対面するのとは違う、強烈なイデオロギー的立場があるようです。

こうした欠陥がありながらも、欠陥にあり余る有益さをこの本はもっています。私は、この本に取り上げられた写真を導きの糸として、68年前に起こった事実を紐解くインデックスにしようと思っています。様々な証言や歴史史料、戦争に参加した兵士たちの記録。その先にあるのは、見聞きし難いつらい過去の真実なのですが・・・。

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