「つくる会」教科書採択無効確認訴訟　第２回口頭弁論意見陳述書	返事を書く ノートメニュー
とほほ <yclfglvbxs> 2003/02/11 22:30:08
Masamichi Yumiyamaさんからの mail を転送します。 WEBページ用に改行等を編集してます。 ---------------------------- 転送元メール ------------------------------ To: aml@jca.apc.org From: Masamichi Yumiyama <myumi@icknet.ne.jp> Subject: [aml 32144] 「つくる会」教科書採択無効確認訴訟　第２回口頭弁論意見陳述書 Date: Tue, 11 Feb 2003 20:03:55 +0900 Message-ID:<200302111103.AA05079@toshiba.icknet.ne.jp> 愛媛の弓山正路です。遅くなりましたが、去る１月２２日に行われた「つくる会」教科書採択無効確認訴訟の第２回口頭弁論意見陳述書を紹介します。法廷を学習の場として原告の陳述書を数回に分けてみなさんに紹介します。 　今回は原告、Ｈ．Ｍさんの意見陳述書です。戦前、戦中と今の状況が大変よく似ていることに十分注意しなければならないと思います。転載歓迎ですので、おおいに広めてください。 ＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊ ２００３年１月２２日　「つくる」教科書採択無効確認訴訟 第２回口頭弁論　意見陳述書 原告 Ｈ．Ｍ 　今回の訴訟については、思いがけないものであり、やむにやまれない思いをもって原告の一員にさせて頂きました。私の貧しい人生の経験から考えましても、何とかして子どもたちが心を一つにして、真の平和をつくり出して欲しいと願い、大切な教育を通して戦いではなく思いやりをもって共に生きる社会を夢見ております。誠に無知な者ですが、とりかえしのつかぬ世の中になる前に司法から正しい道を示して頂きたく心痛めつつささやかな意見を述べさせて下さい。 １、歴史は過去の出来事を正しく知り、全国の子どもたちが共通の歴史認識をもって、現在から将来に亘って誤りのない道を選択してゆくべく学ぶものですから、その教材となる教科書は全国的によしとされるものを用いることが要求されます。この度の扶桑社歴史教科書は愛媛の知事や教育委員の方々が最高の教科書と折紙をつけて選ばれましたが、そんなによいものでしたら、何故、全国的に採用されないのでしょうか。少なくとも、多くの地域で用いられるはずです。愛媛は昔から上意下達が著しい県として有名であり、国旗国歌問題でも全然問題が起こらずにスムースに文部省の指導そのままに受け入れております。 かつて教師の勤務評定の実施も愛媛から強制されました。誠に不思議なくらい非民主的な県です。今回の教科書問題については、全国各地から応援やメッセージが届き、たくさんのカンパも頂きました。何年か後には私たちの問題だからしっかり頑張って下さいとの励ましを受けて豊かな力が与えられました。多分各地から教育委員の皆様にも扶桑社教科書を避けるようにとのＥメールや葉書、ファックスが届けられたことでしょう。何故、こんなに問題が起こった教科書がすんなり採択されたのでしょう。ニュースによりますと、教育委員の皆様は少しの疑問も問題意識も感じられないで一度で全員賛成の上決定されたと知りましたが、いかにも不自然でこの決断が良心に従って決められた真意とは思われません。少なくとも一言でも問題提起されている件について配慮再考があって然るべきではないでしょうか。 　また、現場を担当しておられる教師の皆さんの意見を考慮に入れ時間をかけて大切な子どもたちの教育をお考え頂きたく願います。全学年、全教科の教科書を３０分で決定したとか、信じられないあり方だと思います。敗戦後、民主憲法と共に歩もうとしている我が国です。一人の異なる意見があってもそれを真剣に考えてみる社会です。まして少数者の意見を取り上げて考えてみることは当然のことであって、教育界のリーダーとして召されたお方のやり方とは到底考えられません。どうかもう一度白紙に戻して採択をやりなおして下さるようお願いします。 ２、老齢の私が経験として申し上げますが、かつて若き時代、学校で用いられた教科書は天皇を神と定めていた時代なので、天皇のおかげで私たちは生きてゆくことができるのであるから、天皇に心から感謝して、天皇や国のために生きていくことを教えられました。また、教育勅語が生活の倫理的道徳的基本であり、今回の扶桑社教科書に流れている根本精神が共通しているように思われます。かくして私たちは軍国少年、少女として育てられ、戦争に反対する心もなく（反対すれば投獄された）不安と恐怖の中で戦争に参加させられました。 明治維新から始まった富国強兵の誇りある日本人としてアジアの人々を見下げ、高慢な思いを当たり前のように持ち、隣人の苦しみや痛みを思うことなく、極めて自己中心的な人間として育ちました。日本人は恥をかくことを嫌い、大人は弱さや罪や暗部を隠して誇り高い日本人であり、日本ということを強調しながら子どもたちを教えた教科書でした。敗戦後６０年になろうとする民主主義国を目指して進んできたかに思えますのに、今回の教科書は戦争戦中にかえったかの如き精神が働いていて再び天皇中心の軍国主義、力で勝とうとする恐るべき誤ったものと深く心憂えています。 ３、私は一人のキリスト者として神のメッセージである聖書を通して歴史の支配者の神の前に何が正しいか否かを教えられております。聖書は自分で自分を誇るなとあります。本人はどこまでも謙遜にへり下って人に誉めさせよとのことです。扶桑社の教科書は子どもたちに日本が正しい国、誇り高き国として教えようとしていますが、子どもたちもやがて成長し真実を知った時、どんなにか心が傷つき、暗い心をもった人として残念に思うことでしょう。知事さんや教育委員の方々は多くの人の中から教育の専門家として選ばれた方です。今回の教科書は普通の市民が考えても、検定に合格したこと自体不思議なもので、自由に選択する場合、決して選ばれる教科書ではないと考えます。大切な子どもたち、次の世代を担って、世界の国々と希望に満ちた交わりをつくりあげるためにも、今回の採択を取り消して下さり、他の教科書を用いて、すべての人々に真実をもって仕えていく人格形成を目標にして下さることを心より願います。 ＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊ 弓山正路 myumi@icknet.ne.jp -------------------------- 転送元メール終り ----------------------------