掲示板5に下記のような投稿が熊猫さんよりありました。 http://t-t-japan.com/bbs/article/t/tohoho/5/uhnqrf/uhnqrf.html 先日、該当部分のコピーを入手しましたので、吉田裕『天皇の軍隊と南京事件』P.56に引用されていない「禁止」理由や、記事の全文を掲載いたします。 『出版警察報』には、内外の新聞雑誌などで「禁止」された記事が多数引用されています。ほとんどの場合は、短い引用ですが、現在では失われている記事が少なくないと思われます。 時間があれば、じっくり調べてみたい資料です。
----- 出版警察報 第百拾号
p.50-51
横須賀村報 十月五日附 愛知懸下 十月五日發行 第一〇號 横須賀村發 十月八日禁止 行
「陣中だより〇〇通信」ト題スル記事ハ上海派遣部隊ニ属スル軍 曹新波某ヨリノ戦況通信文ヲ掲載シタルモノニシテ文中我部隊内 ニ多数コレラ患者ノ發生シアル事實ヲ暴露シタル點ハ我軍ノ作戰 用兵上不利ナルモノト認メラレ更ニ支那兵ノ捕虜ヲ斬殺スル場面 ヲ記載シタル点ハ著シク惨虐ナル感ヲ與フルモノト認メラルルニ 因り禁止。
(前略)第○線より我傷○の後送に人手がなく送り得ない 状態にて全くお気の毒ですその上コレラ患者發生し今迄に 約○○出で○○名死亡等歩○○聯隊及歩○聯隊の方々の御 苦心豫想外です(中略) 恰度○○日朝危機の為宿營地變換を命ぜられ出發せんと する時多数の○○兵が騒がしく来るので馬上より一寸見れ ば素ツ裸の△△兵が○名取まかれて来るので何事かと問へ ば○○隊の者にて○○するのだと言ふので見物人の兵等と 一緒に見に行きました、初の一人を(○○刀の斬れ味を見 よ)と将校の人が水をかけてすつぱりと打ち下したらころ りと首が落ち一寸異様な感に打たれ今一人を見れば平然た るものにて今二三分の後には自分が斬られるのだといふ心 情は少しも見えず○された友をジロリと見て居る様は敵な がら遖感心なものです次にその男がすつぱりとやられて立 木の仆れる様に(○は落ちざりしも)彼等も祖國の為に立派 に散つたのだと思ひ彼等二人に合掌せし次第(下略)
----- 出版警察報 第百拾壱号
p.22
日本武道新聞 第五五號 福岡市 一月十五日發行 日本武道奨 一月十七日禁止 励曾發行
「戰地だより」ト題スル記事ハ我ガ軍ガ支那良民ニ對シ惨虐ナル行 為ヲ為シ居ルガ如ク記述シ厳粛ナル皇軍ノ規律ニ疑惑ノ念ヲ生セシ ムル處アリト認メラルルニ因り禁止。 (前略)又反面に日本軍に對し行動疑惑ある部落の如きは之を攻め 妻女の前にて夫を斬り子の前で親を撃ち家に火を放ち之を掃蕩する 事もあります。
----- 出版警察報 第百拾壱号
p.62
西部葉子飴新報 第二〇三號 福岡懸發行 二月五日發行 二月四日禁止[ママ]
「支那膺懲戰に活躍中の寺田重人氏云々」ト題スル記事ハ戰線ニ於 テ我軍ニ非人道的行動アルガ如ク描寫シタルモノニシテ皇軍ノ威 信ヲ失墜セシムル處アルニ因リ禁止。 (前略)軍刀も物を言ひました良く切れますよ刃こぼれ一ツせずチ ヤンコロの首が見事に落ちました敗残兵見付け次第一人殘せす切こ ろして居ります面白いものです(中略)戰敗國のあはれさ男と云はず ○と云はず見付次第殺されて居ります一人殘さすと言ふ意気込みで す丁度重行位の子供の死體を見た時一瞬ハツト致しました。
|