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  WGIPについて ecrit 2003/09/09 12:41:34 
  WGIPですか。 靴屋 2003/09/10 01:13:55 
  PressCodeforJapan「日本新聞遵則/日本出版... 第四期石器人 2003/09/10 19:43:51 
  江藤淳氏の「閉ざされた言語空間」が元ネタ... 熊猫 2003/09/11 00:08:27 
  │└靴屋さん、第四期石器人さん、熊猫さん、新... ecrit 2003/09/12 14:26:42 
  │ ├元ネタについては既に書きましたので省略し... 熊猫 2003/09/12 17:39:36 
  │ ├図書館へ行ってきて、 第四期石器人 2003/09/12 20:31:04 
  │ └こんにちは、ecritさん K−K 2003/09/12 22:54:05 
  WGIPというものを初めて耳にします。W... タラリ 2003/09/12 21:43:49 
  「未完の占領改革」東京大学出版会油井大三... 第四期石器人 2003/09/25 19:22:31 
  「敗戦−占領軍50万通の手紙」川島高峰 第四期石器人 2003/09/29 19:30:56 

  WGIPについて ecrit 2003/09/09 12:41:34  ツリーへ

WGIPについて 返事を書く ノートメニュー
ecrit <jwlpiqwtvu> 2003/09/09 12:41:34
こちらでははじめての書き込みになります。

掲示板の主旨をきちんと理解できていないため、もしかしたら場違いな書き込みになる
かもしれませんが、その際は忌憚なくその旨をお伝え下さい。

さて、題名にありますようにWGIP(War Guilt Informataion Program)、すわなち敗戦後
に占領軍が日本(国家)に対し組織的に贖罪意識を植え付けようとした運動(?)について、
その具体的な詳細についてご存じの方はいらっしゃいますでしょうか? 小林よしのり
氏の指摘(?)によりその名称と概要が広く知られるところとなり、歴史論争の際にも主
にRevisionist達の論拠としてかなりな頻度で登場するキーワードなのですが、寡聞浅
学にして具体的な内容について説明したものを見聞きしたことがありません。彼ら一流
の論理展開になぞらえるなら国家単位で目的を持って行うことなら「命令書」があって
しかるべきなのでしょうが、その内容や存在について説明されたものを見たことはあり
ませんし、このプログラムなるもの体系はもとより具体的な内容についてもよくわから
ない。
櫻井よしこ氏等が言論統制などについてこれをWGIPの一環として行われたとの論評は読
んだことがあるのですが(署名は失念しました)、その本にしてもWGIP自体については特
に説明されていませんでした。

果たしてWGIPなる、アメリカが特定の目的を持って組織的かつ系統的に施されたとされ
る施策など本当にあるのでしょうか?

  WGIPですか。 靴屋 2003/09/10 01:13:55  ツリーへ

Re: WGIPについて 返事を書く ノートメニュー
靴屋 <uypqsyhqon> 2003/09/10 01:13:55
WGIPですか。

私も拙い知識しかないのですが、確かかの文芸評論家であった故江藤淳が広めた説ではなかったかと記憶します。江藤は「日本は無条件降伏などしていない」とか言ってましたっけ。『閉された言語空間』(文春文庫)がその元みたいですね。

まぁ、実際には読んでみないことには江藤氏がそこで何を書いているのかは分からないわけですけれども、いわゆるウヨク的立場にとっては利用したくなる非常に魅力的な説であることは間違いないでしょうね。

しかし、では戦前はどうだったのかってぇと、御国にたてつく奴は非国民・売国奴・アカ呼ばわりされる程(場合によっては弾圧、出版物などは当然検閲ばりばり)の国家だったのですが、それはどうなるのかなぁと、私などは単純に思うわけなんですがね。

・・・・あ、そっか、それもWGIPか、なんて(笑)

  PressCodeforJapan「日本新聞遵則/日本出版... 第四期石器人 2003/09/10 19:43:51  ツリーへ

Re: WGIPについて 返事を書く ノートメニュー
第四期石器人 <irfdphrjbj> 2003/09/10 19:43:51
Press Code for Japan「日本新聞遵則/日本出版法」

趣旨
 聯合国最高司令官は日本に言論の自由を確立せんが為茲(ここ)に日本出版法を発布す。本出版法は言論を拘束するものに非ず寧ろ日本の諸刊行物に対し言論の自由に関し其の責任と意義とを育成せんとするを目的とす。特に報道の真実と宣伝の除去とを以て其の趣旨とす。本出版法は啻(ただ)に日本に於ける凡(あら)ゆる新聞の報道論説及び広告のみならず、その他諸般の刊行物にも亦(また)之を適用す。

1、報道は厳に真実に即するを旨とすべし。
2、直接又は間接に公安を害するが如きものは之を掲載すべからず。
3、聯合国に関し虚偽的又は破壊的批評を加ふべからず。
4、聯合国進駐軍に関し破壊的批評を為し又は軍に対し不信又は憤激を招来するが如き記事は一切之を掲載すべからず。
5、聯合軍軍隊の動向に関し、公式に記事解禁とならざる限り之を掲載し又は論議すべからず。
6、報道記事は事実に即して之を掲載し、何等筆者の意見を加ふべからず。
7、報道記事は宣伝の目的を以て之に色彩を施すべからず。
8、宣伝を強化拡大せんが為に報道記事中の些末的事項を強調すべからず。
9、報道記事は関係事項又は細目の省略に依つて之ヲ歪曲すべからず。
10、新聞の編輯に当り、何等かの宣伝方針を確立し、若しくは発展せしめんが為の目的を以て記事を不当に顕著ならしむべからず。

1945年9月21日

米国太平洋陸軍総司令部民事検閲部

これのことではないでしょうか?
http://www.tanken.com/kenetu.html

  江藤淳氏の「閉ざされた言語空間」が元ネタ... 熊猫 2003/09/11 00:08:27  ツリーへ

Re: WGIPについて 返事を書く ノートメニュー
熊猫 <dhcvsuquwp> 2003/09/11 00:08:27
江藤淳氏の「閉ざされた言語空間」が元ネタです。この本、その筋の皆さんには評判上々!脳ミソのシワの無い人たちにも好評です。江藤氏の解釈の問題は別として、当時のGHQの資料としては読んでもいいかも。
日本人は洗脳された?・・・自虐的な発想ですね(笑)。某HPで「命令書」ではありませんが内容について詳しく書かれています。必要とあればコピペしますが・・・。

  │└靴屋さん、第四期石器人さん、熊猫さん、新... ecrit 2003/09/12 14:26:42  ツリーへ

Re: 江藤淳氏の「閉ざされた言語空間」が元ネタ... 返事を書く ノートメニュー
ecrit <jwlpiqwtvu> 2003/09/12 14:26:42
靴屋さん、第四期石器人さん、熊猫さん、新参者の書き込みに対しご丁寧なレスをあり
がとうございます。江藤淳氏『閉ざされた言語空間』が出典であることは知っていたの
ですが、それ以外のネタ元もあるようですので順次調べていきたいと思います。
>某HPで「命令書」ではありませんが内容について詳しく書かれています。必要とあ
ればコピペしますが・・・。
熊猫さん、まことに恐れ入りますが、こちらに関してもご教示いただけますでしょうか
?


さて、前回の書き込みの際にも触れた櫻井よしこ氏の著作『「真相箱」の呪縛を解く』
(小学館文庫)ではWGIPに関して下記のように説明されています。

太平洋戦争直後にアメリカが考えたのは、この国の精神の完全なコントロールだった。
占領国アメリカの絶対的な権力のもと、徹底的に日本の歴史と伝統を破壊し日本人の精
神改造をしようとしたのである(上掲書36P)

続けて『閉ざされた言語空間』からの孫引きというかたちで「GHQによる検閲指針」が
転載されています。ちょっと長いですが資料的な意味合いもありますので下記に転記し
ます。

-----------------------------------------------------------------------------

GHQによる検閲指針
<削除または掲載発行禁止の対象となるもの>
(1)SCAP-連合国最高司令官(司令部)に対する批判
連合国最高司令官(司令部)に対するいかなる一般的批判、およびいかに特定されていな
い連合国最高司令官(司令部)指導下のいかなる部署に対する批判もこの範躊に属する。
(2)極東軍事裁判批判
極東軍事裁判に対する一切の一般的批判、または軍事裁判に関係のある人物もしくは事
項に関する特定の批判がそれに相当する。
(3)SCAPが憲法を起草したことに対する批判
日本の新憲法起草に当たってSCAPが果たした役割についての一切の言及、あるいは憲法
起草に当たってSCAPが果たした役割に対する一切の批判。
(4)検閲制度への言及
出版、映画、新聞、雑誌の検閲が行われていることに関する直接間接の言及がこれに相
当する。
(5)合衆国に対する批判
合衆国に対する直接間接の一切の批判がこれに相当する。
(6)ロシアに対する批判
ソ連邦に対する直接間接の一切の批判がこれに相当する。
(7)英国に対する批判
英国に対する直接間接の一切の批判がこれに相当する。
(8)朝鮮人に対する批判
朝鮮人に対する直接間接の一切の批判がこれに相当する。
(9)中国に対する批判
中国に対する直接間接の一切の批判がこれに相当する。
(10)他の連合国に対する批判
他の連合国に対する直接間接の一切の批判がこれに相当する。
(11)連合国一般に対する批判
国を特定せず、連合国一般に対して行われた批判がこれに相当する。
(12)
満州における日本人取り扱いについて特に言及したものがこれに相当する。これらはソ
連および中国に対する批判の項には含めない。
(13)連合国の戦前の政策に対する批判
一国あるいは複数の連合国の戦前の政策に対して行われた一切の批判がこれにする。こ
れに相当する批判は、特定の国に対する批判の項目には含まれない。
(14)第三次世界大戦への言及
第三次世界大戦の問題に関する文章について行われた削除は、特定の国に対する批判の
項目ではなく、この項目で扱う。
(15)ソ連対西側諸国の「冷戦」に関する言及
西側諸国とソ連との間に存在する状況についての論評がこれに相当する。ソ連および特
定の西側の国に対する批判の項目には含めない。
(16)戦争擁護の宣伝
日本の戦争遂行および戦争中における行為を擁護する直接間接の一切の宣伝がこれに相
当する。
(17)神国日本の宣伝
日本国を神聖視し、天皇の神格性を主張する直接間接の宣伝がこれに相当する。
(18)軍国主義の宣伝
「戦争擁護」の宣伝には含まれない、厳密な意味での軍国主義の一切の宣伝をいう。
(19)ナショナリズムの宣伝
厳密な意味での国家主義の一切の宣伝がこれに相当する。ただし、戦争擁護、神国日本
その他の宣伝はこれに含めない。
(20)大東亜共栄圏の宣伝
大東亜共栄圏に関する宣伝のみこれに相当し、軍国主義、国家主義、神国日本その他の
宣伝はこれに含めない。
(21)その他の宣伝
以上特記した以外のあらゆる宣伝がこれに相当する。
(22)戦争犯罪人の正当化および擁護
戦争犯罪人の一切の正当化および擁護がこれに相当する。ただし、軍国主義の批判はこ
れに含めない。
(23)占領軍兵士と日本女性との交渉
厳密な意味で日本女性との交渉を取り扱うストーリーがこれに相当する。合衆国批判に
は含めない。
(24)闇市の状況
闇市の状況についての言及がこれに相当する。
(25)占領軍軍隊に対する批判
占領軍軍隊に対する批判がこれに相当する。したがって特定の国に対する批判には含め
ない。
(26)飢餓の誇張
日本における飢餓を誇張した記事がこれに相当する
(27)暴力と不穏の行動の扇動
この種の記事がこれに相当する。
(28)虚偽の報道
明白な虚偽の報道がこれに相当する。
(29)SCAPまたは地方軍政部に対する不適切な言及
(30)解禁されていない報道の公表

出典:A Brief Explanation of the Categories of Deletions and Suppressions,dated
25 November,1946,The National Record Center,RG331,Box No.8568
(昭和21年11月末、米国国立公文書館分室所在)

-----------------------------------------------------------------------------

検閲自体の善し悪しや検閲制度への言及そのものも検閲対象としたことなど論ずべき点
は少なからずあると思うのですが、果たして櫻井氏の指摘するように「徹底的に日本の
歴史と伝統を破壊し日本人の精神改造をしようとした」とまで言えるのかどうか? こ
れがこの問題に関する私の第一のモチーフです。
同指針の内「歴史と伝統」に直接触れている部分は(17)の「神国日本の宣伝」だけで、
敢えて拡大解釈したとしても(18)「軍国主義の宣伝」と(19)「ナショナリズムの宣伝」
がかろうじて加えられるに過ぎません。しかにこの三項目にしても「日本の歴史と伝統」
と一般論として言うには余りに牽強付会でしょう。
『「真相箱」の呪縛を解く』では、その後同じく江藤淳氏の『ユダの季節−「徒党」と
「私語」の構造−』から、元防衛大学校校長の猪木正道氏の憲法制定過程における占領
軍の検閲に対する「当たり前じゃないですか、占領軍が検閲しない例がありますか」と
言うコメントとこれに対する江藤淳氏の論述を否定的な意味合いで引用し、「猪木正道
氏の検閲肯定論はアメリカの価値観がどれほど深く、日本の精神を蝕んでいるかを示し
ている」と論評していますが、「GHQによる検閲指針」の中身を見てみると猪木氏のコ
メントが当てはずれなものとは思えないと素直に感じます。ただし、江藤淳氏はこの出
来事を元にして氏の考えである「内在化された自己検閲」という、それはそれで刮目す
べきテーマについて論じているので江藤氏の論述まで否定するつもりはありません。そ
うではなくて、江藤氏が深い思索の中から思想として論述したことに対し、それを事実
に対するコメントとして利用していることが非常に引っかかります。

また最初の投稿でも触れたようにプログラムと言うからには、さらには件の論者達はア
メリカが国家として主体的な意志を持って行ったと主張しているからには「プログラム」
や「主体性」「意志」そしてこれらを現実のものとする「プログラムの実現性」が論じ
られ実証されない限り「徹底的に日本の歴史と伝統を破壊し日本人の精神改造をしよう
とした」などとは断言できないはずだとの印象を持っています。これが私の二番目のモ
チーフです。

皆さんの論考や様々な議論に刺激を受け、これまでおぼろげながら感じていたことを出
来うる限り系統的かつ論理的に研究してみようと言う気になりこのスレッドを上げさせ
ていただいた次第です。浅学非才、歴史学のいろはも知らないど素人な私ですが、皆さ
んのご教示や叱責を頂きながら初心完徹したいと思いますので、何卒よろしくお願いし
ます。

  │ ├元ネタについては既に書きましたので省略し... 熊猫 2003/09/12 17:39:36  ツリーへ

Re: 靴屋さん、第四期石器人さん、熊猫さん、新... 返事を書く ノートメニュー
熊猫 <dhcvsuquwp> 2003/09/12 17:39:36
元ネタについては既に書きましたので省略します。
http://members.at.infoseek.co.jp/WGIP/file/index_2.html
ここで、江藤氏の本から引用した部分について書かれています。

  │ ├図書館へ行ってきて、 第四期石器人 2003/09/12 20:31:04  ツリーへ

Re: 靴屋さん、第四期石器人さん、熊猫さん、新... 返事を書く ノートメニュー
第四期石器人 <irfdphrjbj> 2003/09/12 20:31:04
図書館へ行ってきて、
図書館に行ってきて、少し調べて、『検閲が与えた影響』のことぐらいだろう。と思っていた自分の浅はかさに赤面です。
『閉ざされた言語空間』で問題とされているのは単純に【検閲】ではなく、【検閲】を道具に教育・思考・パブリックヒストリーの植付け、を言っているのですね。

『閉ざされた言語空間』は読んでいませんが、4冊ほど本を借りてきて、(『骨抜きにされた日本人』岡本幸治:修正主義はのものも含めて)感じるのは、戦前の洗脳教育との相対化を考慮に入れているのか?修正派得意の一面的な資料引用と評価を強く感じました。(まだ十分に読んでいないので、読むうちに考えも変わるかもしれませんが。)
_________________________
教職パージ指令、神道指令、修身日本歴史及びチリの授業停止指令、検閲下における新聞等を用いたパブリックヒストリーの流布。
これらを、悪玉に挙げるのはいいが、これらを行わずに、民主的な改革・教育・パブリックヒストリーの発見があっただろうか?

また、GHQの内実(初期は対日強固派で徐々に変質していったこと)の変化と、その姿勢。
むしろ、失敗だと考える当時の関係者が居ること。
マーク・ゲイン、トーマス・ビッソン

こちらの方から、アピールすると、面白いかも。
私も関心が出てきました。

  │ └こんにちは、ecritさん K−K 2003/09/12 22:54:05  ツリーへ

Re: 靴屋さん、第四期石器人さん、熊猫さん、新... 返事を書く ノートメニュー
K−K <ecoepxmujl> 2003/09/12 22:54:05
こんにちは、ecritさん


 残念ながら、私はこのことについては、まったくと言っていいほど知識がありません。

 熊猫さんが挙げているHPもざっと目を通しましたが、占領政策と東京裁判の正当化であり、日本軍が占領地で行った宣撫工作とさして変わりがないかと思っています。

 まだ、江藤氏や桜井氏の本を読んでいませんので、その主張する論点がどの様なものかの確認をしていませんが、熊猫さん、第四石器人さんなどの説明や、紹介されたを見る限り、そのWGIPが、戦後の日本人の歴史観に大きな影響を与えたというものと思われます。

 ところで、吉田裕氏は『日本人の戦争観』という本において、占領期から現代までの戦後の日本人の歴史観を詳述しています。件のWGIPとどこまで関わり合いがあるかは解りませんが、それを別にしても、非常に面白い内容となっています。参考となるのではないかと思います。


 もし、WGIPについて、何か解ったことがありましたら、こちらに書き込んで頂けると、私としても大変参考となります。
 これからもよろしくお願いします。

  WGIPというものを初めて耳にします。W... タラリ 2003/09/12 21:43:49  ツリーへ

Re: WGIPについて 返事を書く ノートメニュー
タラリ <vgezpxzsqe> 2003/09/12 21:43:49
WGIPというものを初めて耳にします。WGIPがあったと主張する向きが証拠としているのは単にGHQの検閲規則だけではないですか。その内容はGHQ、極東裁判に対する批判の禁止、連合国の批判の禁止、軍国主義の宣伝の禁止、占領軍制に対する批判の禁止などの項目にわけられます。占領軍政として当然の項目の他に、WGIPの名前に値するマスコミ規制はありません。これは日本人の精神改造などの証拠にはなりえませんね。
ちょうど、復古主義的リヴィジョニストたちが、きっとこんなことをアメリカにされたんだ、という思いこみを自己強化するために、ちょうど「あって欲しいな、あったら自分たちの主張が通りやすくなるだろうな」と思っていたものを形にしたようなものが、WGIPになるようですね。

WGIPと英語名をつけた割には英文によるプログラムの内容がないようですね。「ナイヨーが、ナイヨー」。そういうものがあったとするなら、原文を示して欲しいですね。

日本にももともとは民主主義思想、自由主義思想、反戦思想、社会主義思想はあったのであって、日本人は軍国主義が一掃されたあとの自由を大いに謳歌し、戦前にあったこれらの思想を復活させたのです。GHQの検閲はありましたが、それ以外はまったくの自由になったのです。戦中であらゆる報道規制を受けていた日本人と報道人がどれほど自由を喜んだでしょうか。

また、軍国主義体制の構造を支えた財閥、日本軍、天皇と皇族の地位、小作農の存在、帝国憲法、これらをつぶした一連のGHQ改革の方が日本を長期的に変えたのには彼らはいっこう言及していません。実はこちらの方が重要な改革であり、後の日本の高度成長を準備したのです。これらの社会改革とその後の経済発展によって必然的におこった思想転換の方が重要です。

WGIPの存在を信じて鼓吹する連中に対する批判は決して怠ってはなりませんが、WGIP自体はそれほど研究価値がないと思います。研究対象とすべきは有りもしないプログラムを妄想する、歴史修正主義右翼の心理状態でしょう。数年間、言論統制したからといって人間て変わるもんじゃありませんよ。

  「未完の占領改革」東京大学出版会油井大三... 第四期石器人 2003/09/25 19:22:31  ツリーへ

Re: WGIPについて 返事を書く ノートメニュー
第四期石器人 <irfdphrjbj> 2003/09/25 19:22:31
「未完の占領改革」東京大学出版会油井大三郎著
この本の中に、民間の学術学会太平洋問題調査会が数少ないアジア専門家を集めて、ほとんど唯一の太平洋アジア州の学会を形成して、SWNCCなどの政策決定に大きく影響した話と、GHQなどに人材を送り込んだ話が書かれています。
その中で、日本の国史主義と軍国主義の克服のための教育政策と抜本的な封建的社会制度の解体の政策決定のプロセスがかかれています。

  「敗戦−占領軍50万通の手紙」川島高峰 第四期石器人 2003/09/29 19:30:56  ツリーへ

Re: WGIPについて 返事を書く ノートメニュー
第四期石器人 <irssnyejbj> 2003/09/29 19:30:56
「敗戦−占領軍50万通の手紙」川島高峰
この本で、9月10日に「最高司令官の政策を促進するための日本人への情報普及」と言う指令が出されており、民間情報教育局が設立され、「情報普及の目的」として、
a 軍事的
1、戦時から平和への秩序ある移行を支援すること
2、軍国主義と超国家主義の根絶を支援すること
b 経済的
1、健全な経済を育成すること
2、労働産業ならびに農業の民主的な組織化を促進すること
3、武装解除と動員解除による経済的な利益を協調すること
c 政治的
1、現在ある日本政府を支持するよりむしろ利用すること
2、民主的諸傾向に障害となるものの除去を促進すること
3、政治的ならびに市民的自由、集会の権利、公での議論、教育、自由な選挙、そして人権の尊重を助長すること
4、国民に責任ある自由な政府の促進
5、国際社会の名誉ある平和な一員としての来るべき日本の承認が認められる条件を提唱すること
d 心理的
1、日本敗北という事実を明確にする
2、日本人に彼らの戦争責任、彼らの犯した残虐な行為、そして彼らの戦争犯罪を知らしめること
3、日本人に軍国主義者は日本の敗北と受難ゆえに責められるべきことを理解せしめること
4、日本民族を奴隷化する意図はまったく無いことを強調すること
5、宗教的、政治的、階級的、人種的寛容を促進すること
6、占領軍は日本の戦争能力を破壊する必要があり、占領軍はこの目的を達成され次第速やかに撤退することを説明すること

客観的に見て、普通のことですね。
また、戦後の東久邇宮内閣が、民主化や政治犯釈放、特別高等警察解散に抵抗していた。このことを考えるに、必要な処置であったし、まだ不十分なものであったろう。


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