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  セオドア・ホワイト「歴史の探究」 ゆう 2003/10/12 08:09:41 

  セオドア・ホワイト「歴史の探究」 ゆう 2003/10/12 08:09:41  ツリーへ

セオドア・ホワイト「歴史の探究」 返事を書く ノートメニュー
ゆう <pmyqfxtjon> 2003/10/12 08:09:41
掲示板では、近頃、「セオドア・ホワイト」流行りです。ネタ元は、言うまでもなく、北村本ですね。

>ホワイトは国際宣伝処の特集記事監修を担当したが、当時の重慶では「アメリカの言論界に対し嘘をつくこと、騙すこと、中国と合衆国は共に日本に対抗していくのだとアメリカに納得させるためなら、どんなことをしてもいい、それは必要なことだと考えられていた」と述べる。
(「南京事件の探究」P61)

ホワイトのこの部分は、宣伝というのはこういうものだ、という一般論を述べているだけで、別にティンパーリ『戦争とは何か』が「嘘」だと言っているわけではありません。この後に出てくる「実例」も、こんな具合です。(ダーディンが出てくる部分が興味深いので、ちょっと長めに引用します)


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 中国軍が退却すると、「戦略的に出し抜く重要な行動」を軍がとったという具合である。日本軍に町や都市を奪われると、陥落したばかりの町で「わが軍は、敵を巧みに罠にかけた」と決まって最初に報じられた。それが前線でわずかな勝利を収めたとなると、広報では必ず「武器不算」―中国軍が莫大な量の武器を押収したことになるのだった。

 このようなニュースが外国の報道陣を困惑させぬはずはない。記者の何人かを御することはできた。AP通信を代表していたのは、中国人の妻を持つ若いオランダ人で、ロイター通信は中国人の上級官吏が代表していた。その他にも中国政府に忠誠というかたを渡している者がいた。彼らは政府の発表をそのまま伝えていた。

 政府が操れなかった厄介な記者は、調子に乗ると素晴らしい記事をものしていたUP通信のロバート・マーチンと、ニューヨーク・タイムズのF・ティルマン・ダーディンである。ダーディンはアジアの諸問題に関して優れた記事を書いており、中国政府すら彼に嘘をつくのは尻込みするくらい、威厳のある人だった。

(「歴史の探究」(上)P102)

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このあとに、「中国抵抗戦士団の巴御前」である「ミス・ゴールデン・フラワー」の話(「ダーディン以外」の通信員はみなこれに飛びついたそうです)、「十四カ月間に・・・難民キャンプに二千五百万食ほど配った」のが「二千五百万人の難民」の話に化けてしまった話、が出てきます。


「宣伝に使われた」ことイコール「事実ではない」ということにならないのは、この掲示板を見ている方にはもう説明の要もないでしょうから、省略します。

最後に、ホワイト氏の、「日本軍の暴行」についての認識を書いておきます。「誇張」を一切抜きにしても、この程度の認識を持っていたことに注目してください。「戦争とは何か」に示される日本軍の暴行ぶりが、中国戦線においてはありふれた話であったことがわかると思います。


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以来、私は、日本軍がどのような行為に及んだかをたびたび誇張して話してきたので、ここでは当初の原稿に戻って記憶を正すのがよいだろう。

「・・・村は次々にすっかり破壊された。家は焼け崩れ壁は汚され、橋は裂け落ちた。日本軍兵士は、退屈しのぎに、また極悪非道な心根から家々を焼いたのだ。寒さのための火と暖を必要としたからである。

日本軍は無差別にかつ効果的に略奪を行なった。価値のあるものはみな剥ぎ取られ、持ち去られた。電話、電線、時計、石鹸、寝具、何でも集めて物資補給部に送るのである。私用の品は別に略奪した。日本兵が欲しがったのは衣料と食物である。好みもへちまもあったものではない。女性用の絹の衣類、木綿の野良着、靴、下着、何もかもが、不幸にして日本軍分遣隊の手におちた中国人の背から剥ぎ取られたのだ。

 日本兵は胸元まで泥まみれだった。二週間も伸ばしたままの髭はぼうぼうで、しかもがつがつと飢え切っていた。村人たちは、家畜を連れ、穀物その他の食事を携えて、日本軍の手の届かぬ山中に逃げこんだ。谷間のいたるところで、ちっぽけな敵の守備隊は互いに通信し合うことができず、泥まみれとなって餓死しかかっている・・・。

 ある村では女たちが一人残らず占領兵士に強姦された。村人が素早く逃げ出せなかった村では、日本兵はまず初めに女を捜し出して餌食にしたのである。畑に隠れた女たちは騎兵隊に追い出された。馬に乗って畑を踏み荒し、女たちが出てくるまで脅かしたのだ。

 男は裸にされ、荷車につながれ、まるで駄馬のように帝国陸軍に駆りたてられた。日本軍の馬とラバは、泥の中で死ぬまで鞭打たれた。どの道路にも丘にも腐りゆく動物の残骸があり、馬の骨が陽の光に白く曝け出されている。馬の代わりをさせられた中国人農民は、同じように仮借ない怒りで駆りたてられ、ついには倒れて、死ぬか気が狂ってしまうのだ」

沁河の渓谷で見守った戦闘は、私の期待どおり、駆け出しの戦争記者としてはなかなかの記事になった。

(セオドア・ホワイト「歴史の探究」(上)P118〜P119)

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