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  陽高事件 「世界戦争犯罪事典」より ゆう 2004/12/29 21:06:44  (修正1回)
  「南京大虐殺を記録した皇軍兵士たち」復刊 ゆう 2005/01/09 05:44:27 
  │└今日,「南京大虐殺を記録した皇軍兵士たち... Queso 2005/01/12 16:34:29 
  中国共産党は知らなかったか? ゆう 2005/01/09 08:55:54 
  │└「包囲は多いが殲滅は少ない」が、いつの間... ja2047 2005/01/10 08:16:58  (修正1回)
  「陽高事件」−新コンテンツのお知らせ ゆう 2005/01/15 11:25:41  (修正2回)
   └おまけ−「日本刀」のトリビア ゆう 2005/01/15 11:52:54  (修正1回)
    └わははは。すごい。 ななせ。 2005/01/17 22:41:06 

  陽高事件 「世界戦争犯罪事典」より ゆう 2004/12/29 21:06:44  (修正1回) ツリーへ

陽高事件 「世界戦争犯罪事典」より 返事を書く ノートメニュー
ゆう <pmyqfxtjon> 2004/12/29 21:06:44 ** この記事は1回修正されてます
当掲示板の下の方で話題に出している「陽高事件」ですが、ひょっとしたら秦郁彦氏他編の「世界戦争犯罪事典」に載っているのではないかと思い、注文してみたら、見事にヒットでした。

以下、引用します。


******************************

陽高事件

 日中戦争初期の一九三七年九月、内モンゴルの陽高で、関東軍のチャハル兵団(兵団長東条英機中将)がひきおこした中国人虐殺事件。

 七月七日の盧溝橋事件をきっかけに日中間の戦火はしだいに拡大、八月中旬には華北ばかりではなく、華中の上海にも飛び火した。この間に中央・現地を通じ、もっとも強硬論を主張していたのは、極東ソ連軍を主敵としているはずの関東軍で、なかでも東条参謀長は対ソ戦準備の前にまず国民政府(南京政権)に一撃を加え、背後の脅威を除去すべきであるという思想の持ち主であった。

 その関東軍は、華北の戦闘が始まると、八月一四日チャハル兵団を編成、東条はみずから兵団長に就任、二個族団をひきい内モンゴルのチャハル省へ進攻した。参謀長が部隊の指揮官を兼ねるのは陸軍の伝統に反する異例の事態だったが、関係者は「チャハル作戦も兼務も東条の発案」で「東条の戦争」以外の何物でもなかったと証言している。
 
 作戦自体は追撃につぐ急進の連続で、八月二七日には張家口、九月一一日には大同を占領し、内モンゴルの全域を制圧した。

 大同の東北にある陽高で虐殺事件が起きたのは九月九日である。本多族団が南城門から、篠原族団が北城門から城壁を乗り越えて城内へ突入したのは八日夜だが、守備兵の猛抵抗で約一四〇人の死傷者を出す。激高した日本軍は夜が明けて占領が終わると、城内の男という男を狩り出してしばりあげ、機関銃の集中砲火を浴びせて殺害した。

 その数は三五〇人とも五〇〇人ともいわれるが、はっきりしない。また処刑を実施した部隊名も明確でないが、東条が首相時代の一九四三年二月、秘書官との雑談で当時を回顧して、「不穏な支那人等は全部首をはねた。一人しか捕虜は居なかった。斯くの如く日本の威力を知らせておいて・・・米とか何とかを施してやった。恩威並び行われたわけだ」と語っているので、東条兵団長の責任は免れないと思われる。

 しかし、この事件は東京裁判でも中国のBC級法廷でも裁かれなかった。一説には、中国側は本多族団の歩兵第三連隊と野砲兵第四連隊を「犯人」と見当をつけ、訴追を要求したが、取りあげられなかった。

 理由は不明だが、A級被告のトップにいた東条の履歴書に、出先かぎりの人事発令だったチャハル兵団長の職歴が記載されていなかったのも一因だろう。もし東条が実質的な責任者とわかれば、東京裁判の検事団はためらわずに陽高事件を訴追したと思われる。

 東条を「平和に対する罪」に加え「虐殺の元凶」として裁く法廷効果は絶大だったからである。
   (秦郁彦)

<参考文献>
 信太山砲四会『野砲第四連隊並に関連諸部隊史』(一九八二)
 秦郁彦「東條英機の<戦争責任>」(秦郁彦『現代史の争点』文藝春秋一九九八)

******************************


残念ながら私はまだ「一次資料」を発見しておりませんが、下の方で紹介した畠山清行氏の「東京兵団」と合わせると、どうも「南京事件」以前にも、相当規模の「虐殺事件」があったことは、否定できないようです。

参考文献のうち「現代史の争点」の方は、たいしたことは書いてありありませんでした。「野砲第四連隊・・・」を、探してみることにしましょうか。

少なくとも、規模は、あの「通州事件」に匹敵しそうです。さて、「相殺」論に従えば(私は「相殺論」はとんでもない、と考えています。念のため)、「通州事件」は「陽高事件」と「相殺」されてしまいそうですが、ネットのあちこちに見かける「南京事件との相殺」論者さんは、どうするのでしょう?(^^)

  「南京大虐殺を記録した皇軍兵士たち」復刊 ゆう 2005/01/09 05:44:27  ツリーへ

Re: 陽高事件 「世界戦争犯罪事典」より 返事を書く ノートメニュー
ゆう <pmyqfxtjon> 2005/01/09 05:44:27
「南京大虐殺を記録した皇軍兵士たち」復刊

本屋に行ってみたところ、絶版であるはずの「南京大虐殺を記録した皇軍兵士たち」が復刊されていることに気がつきました。言うまでもありませんが、「山田支隊」の兵士たちの日記集であり、「幕府山事件」を語る上で必見の本です。

「南京事件」に取り組み始めたばかりの3年前、私も大月書店にメールでこの本の在庫を問い合わせをしたことがあります。「絶版」との返答を受けましたので、「良書ですのでぜひ復刊を望みます」と書き送りました。私のメールも、「復刊」の決定にに少しは影響したかもしれません(^^)

私の「ブックガイド」にも、「復刊」の旨を追記しておきました。

http://www.geocities.jp/yu77799/bookguide.html

  │└今日,「南京大虐殺を記録した皇軍兵士たち... Queso 2005/01/12 16:34:29  ツリーへ

Re: 「南京大虐殺を記録した皇軍兵士たち」復刊 返事を書く ノートメニュー
Queso <rqxhbhcpiw> 2005/01/12 16:34:29
今日,「南京大虐殺を記録した皇軍兵士たち」入手致しました.
ゆうさんのお陰と感謝しておりますw

「中帰連」のバックナンバーの
第17号特集:「あぶない教科書」元軍人たちの訴え

が,残り6部だそうです.ただし,バックナンバーの全部のセットじゃないと購入不可とのことです.…正確には,僕が買うので,あと5部となります.

  中国共産党は知らなかったか? ゆう 2005/01/09 08:55:54  ツリーへ

Re: 陽高事件 「世界戦争犯罪事典」より 返事を書く ノートメニュー
ゆう <pmyqfxtjon> 2005/01/09 08:55:54
中国共産党は知らなかったか?

毎度、更新のお知らせです。

渡辺さんより、中国共産党の刊行物「群衆」記事原文の提供をいただきましたので、「中国は知らなかったか」のサブコンテンツとして「中国共産党は知らなかったか」をアップしました。

それに伴い、「中国は知らなかったか」の記述のうち、「中国共産党」に関する部分を新コンテンツに移行しました。

中国は知らなかったか
http://www.geocities.jp/yu77799/chuugoku.html

中国共産党は知らなかったか
http://www.geocities.jp/yu77799/nicchuusensou/gunshu.html

  │└「包囲は多いが殲滅は少ない」が、いつの間... ja2047 2005/01/10 08:16:58  (修正1回) ツリーへ

Re: 中国共産党は知らなかったか? 返事を書く ノートメニュー
ja2047 <zguiletmbk> 2005/01/10 08:16:58 ** この記事は1回修正されてます
「包囲は多いが殲滅は少ない」 が、いつの間にか「南京で殲滅戦はなかった」に化けているところがポイントなのでしょうね。

  「陽高事件」−新コンテンツのお知らせ ゆう 2005/01/15 11:25:41  (修正2回) ツリーへ

Re: 陽高事件 「世界戦争犯罪事典」より 返事を書く ノートメニュー
ゆう <pmyqfxtjon> 2005/01/15 11:25:41 ** この記事は2回修正されてます
「陽高事件」− 新コンテンツのお知らせ

『野砲兵第四聯隊並びに関連諸部隊史』を入手しました。当面これ以上のデータは入手できそうにありませんので、現在手持ちの材料で、「陽高事件」のコンテンツをアップすることにしました。

http://www.geocities.jp/yu77799/nicchuusensou/youkou.html

「陽高 虐殺」で検索すると、私の当板への投稿がトップに出てきます(笑)。少なくともネットの上には、いかにこの事件のデータが少ないかがわかりますね。もし、他に何かデータを御存知の方がいらっしゃいましたら、ぜひご教示いただければ幸いです。

某掲示板で、あれは中国軍の仕業だの、日本刀の性能からあんな虐殺は不可能だの、たっぷりと笑える「妄論」を目にしましたが、東条英機自身が認めているのではどうしようもありません。


なお、このコンテンツで紹介した、『野砲兵第四聯隊並びに関連諸部隊史』の「中略」部分も結構興味深いので、紹介しておきます。そのうち、「徴発の実態」というコンテンツでも作ってみようかな。


******************************

増井中隊長も、食糧馬糧の欠乏不足について、手記で次の如く書いて居られる。

 食糧馬糧は欠乏して来た、徴発には必ず金を払ふ事にしていたが、住民の逃げて居ない所は失敬するより他に道はない、馬は段々痩せて骨が露出して来て砲車を輓曳く力も心もとなくなって来た、仕方がない、休止の時は砲車共々高梁畑の中へ引っぱり込んだ。

 住民が血相を変えて喰べる真似をしてわめいて来る。少しの金を出すと泣くのも居る、頑強に罵る者には拳銃を向けておどすと逃げてしまった、済まないと思ったが背に腹は代えられない、後を見ると馬は狂気のように高梁を喰っている、忽ち坊主畑になってしまった。

 尚此の辺りの豚は猪に似て野性を帯び、捕へる時に名誉の負傷を受けた者も居た。

 豚捕獲に関して愉快な話しがある、チャハルのどの村にも大概大きな空井戸が在り、中には20畳位の広さがあり、村民は20〜30頭の豚を此の中に隠していた。第二中隊の長尾幸春一等兵とか荒金茂光一等兵は鳶職等の関係で身が軽く、麻縄を輪にして此の中に入り豚の頸と前脚に素早く輪をかけて、曳っぱり上げるのである。
 ギャーギャーバタバタ、中には牙をむいて向って来る野性の豚も居る。

 或る日兵隊達は大豚を釣り上げ、四肢をしばり戸板に乗せて運んで居ると、出しゃばりの第一大隊本部の戸谷主計少尉が、

 「其の豚待った!!」と云ったので、豚釣り指揮官の第二中隊の植木将冨少尉と口論になった、有名な「其の豚待った事件」が起った、豚が釣れると大隊本部は大騒ぎで、白木少佐は厨房長に早変り、観測掛りの森本軍曹は料理人に早変りした。白木少佐は忽ち長州弁丸出しで、

 「此の豚はよう肥っちょるけん、ロースの処は大き目に包丁を入れんといけん」等と指図され甚だ愉快であった。
(同書 P247〜P248)
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   └おまけ−「日本刀」のトリビア ゆう 2005/01/15 11:52:54  (修正1回) ツリーへ

Re: 「陽高事件」−新コンテンツのお知らせ 返事を書く ノートメニュー
ゆう <pmyqfxtjon> 2005/01/15 11:52:54 ** この記事は1回修正されてます
おまけ−「日本刀」のトリビア

「日本刀」という文字を書いて、ふと思い出しました。戦前の雑誌を入手して眺めているうちに気がついたのですが、「日本刀」という呼び方は、実は中国人がつけた名称だったのですね。

岩崎航介氏「戦争と日本刀」より。



日本刀其物の名称は、日本人自らが与へた名前では無くて、支那人が日本の刀の鋭利なのに感心して、此の日本刀なる言葉を使つたのが其源であつて、早くも宋の時代の欧陽修の「日本刀歌」に之を見る事が出来る。

降つて明・清の詩人の中にも日本刀を賞讃した詩を作つて居る。例へば明の唐順之は、「有客贈我日本刀、魚鬚作把青絲綆、重々碧海浮渡来、身上龍文雑藻荇・・・」とある様に、日本刀は支那人が附けた名前であつた。

日本人自身は、戦記物杯には単に太刀と称し刀と云つて居る。それが日本刀と言ひ慣らされて来るのは、江戸時代の末期、内憂外患の国難に遭遇して来た時である。「日本」といふ国家観念に統一され、国民的の自尊心が生じて来る時、当時の国民の胸中に浮んで来たのが日本刀であつた。

(『歴史教育』昭和十二年十一月特集号 P257〜P258)

    └わははは。すごい。 ななせ。 2005/01/17 22:41:06  ツリーへ

Re: おまけ−「日本刀」のトリビア 返事を書く ノートメニュー
ななせ。 <exyhrtekpc> 2005/01/17 22:41:06
わははは。すごい。
明の頃なんて九州の大名同士が明で戦争してるもの。
太刀と日本刀は違うような気がします。
刀は日本人というか・・・・武士の魂でしょう。太刀は飾り物かな。シュテン童子の時代・・・IMEの変換は外国人か・・・・。
当時の日本人の一部が使ってました。日本人の概念が当時も在ったのでしょうが藩意識が先でしょう。
今じゃオタクのロボットとフィギュアが日本刀かな。


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