詳解:「尖閣衝突」流出ビデオ、ちゃんと見た

〜日本側報道とビデオから見た事件の経緯〜

 

《もくじ》

 

はじめに

Youtubeを通して流出したビデオを詳細にみれば、海上保安庁に都合のよい部分を選択して編集したものであることが判ります。以下に記すことは、当事者の一方である日本側の報道・流出資料によるものです。公平性・中立性が保証されているとは言えないことに、充分ご留意願います。

どんな映像にも<主観性>という欠点があります。ビデオ流出前に書いたものですが、こちらも読んでくだされば幸いです。
http://ni0615.iza.ne.jp/blog/entry/1855017/

少なくとも、<こちら側からみた事象>が<相手側から見たらどう映るか>、想像力を発揮する必要を感じます。

 

 

A. 事件関係船舶

海上保安庁巡視船(4隻ないしは5隻) 中国漁船 排水トン表示の船舶重量 >> 最大積載トン表示の船舶重量
      ・・・・・積荷が少なければ示された数字差の数倍の実質差がありうる。

B. 時系列

2010年9月7日

毎日記事より一部引用
http://mainichi.jp/select/world/news/20101001ddm010040134000c.html

◆衝突の経緯

 尖閣諸島の領海線に沿ってパトロール中の巡視船「よなくに」(1349トン)のレーダーが、久場島の領海線付近で船影の群れをとらえたのは7日午前9時過ぎだった。海上保安官が画面の「点」を数えると、領海内に約30、領海外に約40。いずれも静止していた。

 「よその国の漁船が操業しているな」。「よなくに」は指揮船に報告し、久場島北北西約12キロと、最も領海を侵している「点」にへさきを向けた。

 領海内では8月中旬から中国漁船の違法操業が増えていた。今年は海流の影響か、カワハギなどの豊漁が続く。魚釣島から約27キロ北東の離れ小島・久場島は、監視の目が届きにくい。

 まもなく、網を広げるトロール漁船が見えた。船体には「〓晋漁5179」の文字。「〓」は中国福建省の呼称。「晋」は省中部の晋江市。中国漁船だった。

 「ここは日本の領海だ。退去しなさい」。電光掲示板に表示された中国語の警告を見せるために「よなくに」が漁船の前を横切る。すると、漁船が動き出し、かじを切らず「よなくに」の船尾をこすって逃げた。

 「10時15分、久場島北北西約12キロ、該船と接触」。「よなくに」から最初の接触が無線で指揮船に入った。指揮船は念のために「接舷しようとしていたのか」と尋ねたが、過失がないことを確認すると、付近で警戒中の「みずき」(197トン)に「連携して立ち入り検査するように」と指示した。

 「止まりなさい」。追いついた「みずき」が拡声機と電光掲示板で繰り返し停船命令を出した。甲板では警告を無視する模様を保安官が証拠としてビデオカメラに収めていた。「みずき」は漁船の左前方を約70メートルの間隔を取って並走していたが、漁船との距離は狭まっていった。

 保安官は「ぎりぎりになったら避ける」と思っていた。しかし、「幅寄せ」が15秒ほど続いた午前10時56分、漁船の左舷船首が「みずき」の右舷中央から後方に衝突した。

 接触を回避するにはエンジンを逆回転させるが、その形跡はなかった。船首が「みずき」の甲板にせり出す形で接触した後、漁船は領海外へと逃げた。「『みずき』から各船へ。該船、本船に接触。久場島北西約15キロ」「該船、なお北へ逃走中」

 「通常の事案ではない」。2回目の衝突で、第11管区海上保安本部(那覇市)の空気は一変した。最初の接触時は「軽微だがぶつけられているし、止めて検査せざるをえないな」とおおらかに受け止めていた。しかし、現場の気象条件は特段悪くはなく、漁船の操船ミスの可能性はまずない。

 「漁船がかじを左に切り、速度を上げない限り、左前方を直進するみずきにはぶつからない」。11管は対策本部を設置してヘリコプターを急行させ、現場に展開する3隻に放水による進路規制を指示。「みずき」には「止まらないなら強行接舷して立ち入り検査しろ」と命じた。

 だが、漁船は蛇行しながら逃げ続け、甲板の船員が「あっちへ行け」とばかりに激しい身ぶり手ぶりを繰り返した。排他的経済水域(EEZ)に入った午後0時55分、久場島北北西約27キロで「みずき」が緩衝材付きの船首をぶつけて強行接舷。同56分、なだれ込んだ保安官6人がエンジンを止めた。船長らは観念したのか、おとなしく従った。

 「該船停止!」。「みずき」の保安官がトランシーバーで報告し、ビデオテープを別の巡視船の保安官に手渡した。映像は指揮船から電送され、尖閣の領海内で外国漁船が初摘発された事件の捜査が始まった。



◇証拠ビデオ、後押し

◆逮捕の判断

 東京・霞が関にある海上保安庁。巡視船「みずき」から回収したビデオテープが電送された7日午後4時ごろ、オペレーションルームの大型テレビモニターにビデオが再生された。

 中国漁船が「みずき」に幅寄せする約15秒間を見た保安官は振り返る。「近づいて来たな。危ないな。来るぞ。あっ、ぶつかったと心の中で叫んだ」

 漁船の喫水線付近の波の立ち方などから漁船がかじを切り、衝突回避のためのエンジンの逆回転もさせていないことが見て取れた。

 政府内で船長逮捕を強く主張したのは、当時外相だった岡田克也民主党幹事長だった。岡田氏は事件発生時、ドイツへの機内にいた。独要人との会見後、ベルリンの空港に向かう車中で、官邸サイドと国際電話で協議し「こういうことは粛々とやらなければだめだ」と主張した。

 岡田氏は5月の日中韓外相会談の席上、突然、中国の核軍縮を訴え楊潔〓(ようけつち)外相を激高させたり、7月の東南アジア諸国連合(ASEAN)地域フォーラム(ARF)では、南シナ海の領有権問題に絡んで中国の動向をけん制した。対中強硬派と目される。

 「日本は法治国家だ。当初この問題が起きた時、私も、小泉(純一郎)政権の時の自民党のやり方が頭の中に浮かんだ」。岡田氏は党幹事長転出後の29日、事件を振り返る中で語った。

 04年3月、中国人7人が尖閣諸島に不法上陸して日本側に逮捕された。当時の小泉首相は司法手続きに入らず強制送還した。その後、小泉氏は「政治判断」の存在を認めていた。岡田氏はこれを批判した。「事を荒立てないなら、そういうやり方もあっただろう。しかし、日本の巡視船が傷つけられるようなことが起きた時、取り調べもしないことはあり得ないだろう。そう考え、船長を逮捕した」

 事件当時、海上保安庁を管轄する国土交通相だった前原誠司外相も「ビデオを見る限り、悪質な事案であると思った。その意見を海上保安庁には伝えた」と後に明らかにしている。船長逮捕には2人の有力閣僚の主導があった。

 船長逮捕を主張した海保には実はハードルもあった。巡視船への衝突を公務執行妨害容疑で立件した経験がなかったのだ。

 ただ、海上保安庁と同じころ届いたビデオを見た那覇地検の判断は違った。「ばっちり撮れている。公務執行妨害でいこう」。漁船と「みずき」のGPSデータから航跡を描くと、巡視船は直線なのに対し、漁船は左へ曲がるカーブを描いていた。尖閣の領海内で外国漁船を初めて立件する証拠は固い−−。地検側の強い意志のもと、検察と海保の腹は決まった。

 その後、午後4時40分と同9時ごろに、官邸で関係官庁の非公式会議が開かれた。2回目の会議。海保側からビデオでの説明と公務執行妨害容疑で逮捕状を請求する方針が、仙谷由人官房長官にも示された。10時半、逮捕状が請求された。

 

C. 流出した尖閣衝突ビデオ

◆報道によると、那覇地検に証拠として提出した編集済みの4本が、Youtubeにアップロードされる際に長いものが分割されて6本になったとのことです。

◆現在WEB上に残っているものが、流出したもののオリジナルで有る保証は有りません。削除-再アップが繰り返される過程で、編集替えがなされた可能性は全く否定できるものではありませんが、それがなかったとの仮定に立って、現在WEB上に残っているものからコマを拾って読解を試みることにしました。

clip.1(No1)from「よなくに」 by 平野 7:30
http://www.youtube.com/watch?v=AAaf8UsgTSo
clip.2(No1続)from「よなくに」 by 平野 8:09
http://www.youtube.com/watch?v=ET9V8gGK-pw
clip.3(No2)from「よなくに」 by 仲座 11分21秒
http://www.youtube.com/watch?v=x6JcNX6AZYw
clip.4(No2続)from「よなくに」 by 仲座 11分24秒
http://www.youtube.com/watch?v=hbfH-MjwIpA
clip.5(No3)from「みずき」 by X氏 3分33秒
http://www.youtube.com/watch?v=ZrkkE7O0u5I
clip.6(No4)from「はてるま」 by Y氏 2分29秒
http://www.youtube.com/watch?v=6OyYv7bKdhs

◆ビデオ撮影の目的は「証拠収集」と「広報」と思われますが、"メモリーが満杯になったので広報用カメラを使う" というナレーションがあることから判りますように、このビデオの目的は「証拠収集」とみるべきでしょう。

◆流出ビデオは、撮影された原版のデータから編集されたものです。

◆流出したビデオ6本のうち、(1)(2)(3)(4)の4本は、巡視船「よなくに」から撮影したもので、中国漁船との第1回衝突までが含まれています。(5)は巡視船「みずき」から撮影したもので、第2回目の衝突が含まれています。(6)は巡視船「はてるま」から撮影したもので、「みずき」と漁船との第2回目の衝突が遠くから映し出されています。

◆巡視船「よなくに」から撮影した分のナレーションが、風の強さなどに影響されずに収録されていることなどを、私は不自然と感じました。基地に持ちかえって室内で録音したアフターレコーディング(アフレコ)ではないかとの疑いを持ちました。

◆しかし、性能のいい無線インカムなどを装備していれば、アフレコではなく現場での実況録音も可能なようです。

◆アフレコの可能性は、編集を何もしていない撮影原版と比較することによって、疑問が残らない明解な答えが得られるでしょう。「仲座氏」のカメラに「平野氏」が、どうやって実況ナレーションを入れることが出来たのかは、なお不明なままです。

※ 私だけでなく毎日新聞もビデオからコマを拾っています。 http://mainichi.jp/select/jiken/graph/20101105video/

 

 


D. 1回目の衝突

clip.1とclip.2(合わせてNo.1)のビデオには、巡視船「よなくに」が中国漁船と会合してから「退去勧告」を行なう様子、中国漁船の揚網の様子が写し出され、編集によって何度も場面が中抜きされています。また、証拠収集担当官による克明なナレーションが付いていますが、「撮影開始」のナレーションがないので、撮影開始部分は削除されていると思われます。

メモリーの不足から、証拠収集撮影はすでに併行して撮影中であった「広報用カメラ」にバトンタッチされています。それが、流出ビデオ clip.3とclip.4(合わせてNo.2)です。2つのカメラが同時に撮影していた重複部分は約7分あります。

第1回の衝突シーンは clip.4 にあります。TV報道で繰り返されているシーンは衝突時の数秒間です。

衝突に到る前段である「よなくに」の『回り込み行動』は、収録された「ナレーション」によれば「揚網作業の撮影のため」とあります。しかし細かくビデオを見ると、揚網作業がほぼ終ったタイミングで『回り込み行動』が始まったように見えます。中国漁船側が「強制停船--拿捕開始」と脅威を感じた可能性はないのでしょうか?

(自作図)

(毎日新聞WEB版より)


clip 1 (No.1)

from「よなくに」 filmed by 平野 contents 7:30
http://www.youtube.com/watch?v=AAaf8UsgTSo
タイトル画面 1、実写カット数 11

※ 冒頭に撮影開始を示す平野氏のナレーションが無いことから、《 1-0006 》以前の映像は編集で削除されたものと思われます。

映像
click
Clip time 実時刻
T:テロップ
映像内容・音声・ナレーション(太字)
1-0000   タイトルボード
ミンシンリョウ5179 No1 進路規制から揚網途中まで PL63よなくに 平野撮影
----Cut out---
1-0006 (T)0928 ----Cut in---
(S)中国語の退去勧告放送、汽笛の連続
----Cut out---
1-0019 (T)0928 ----Cut in---
(S)中国語の退去勧告放送、汽笛の連続
1-0021   (S)(音量アップ)中国語の退去勧告放送、汽笛の連続
----Cut out---
1-0040 (T)0929 ----Cut in----
中国語の退去勧告放送
1-0049   「よなくに」漁船前方で左旋回 (S)中国語の退去勧告放送
----Cut out---
1-0054 (T)0930  ----Cut in----
「よなくに」漁船前方で左旋回 (S)中国語の退去勧告放送
1-0106   「よなくに」回り込み (S)中国語の退去勧告放送
1-0115   Zoom back 「よなくに」回り込みの航跡
----Cut out----
1-0121 (T)0930 ----Cut in----
(S)中国語の退去勧告放送
1-0134    
Panning 漁船船尾へ (S)中国語の退去勧告放送
----Cut out----
 
1-0135 (T)0931 ---- Cut in ----
「よなくに」回り込みの航跡 (S)中国語の退去勧告放送
1-0143   漁船見切れる。「よなくに」回り込みの航跡 (S)中国語の退去勧告放送
---- Cut out ----
1-0145 (T)0931 ---- Cut in ----
漁船の背景に島 (S)中国語の退去勧告放送
1-0157   Zoom back  漁船の背景に島 (S)中国語の退去勧告放送
1-0207
  漁船の背景に島 (S)中国語の退去勧告放送
(平野-001)
「うしろは久場島」
---- Cut out ----
1-0213 (T)0933 ---- Cut in ----
(S)中国語の退去勧告放送
--- Cut out ----
1-0230 (T)0938 ---- Cut in ----
(S)中国語の退去勧告放送
右後方に巡視船
1-0235   漁船の背景に巡視船 (S)中国語の退去勧告放送
すでにこの漁船は包囲され状態らしい。
---- Cut out ----
1-0250 (T)0938 ---- Cut in ----
(S)中国語の退去勧告放送
1-0259  
---- Cut out ----
1-0306 (T)0955  ---- Cut in ----
退去勧告放送なし
(平野-002)
「該船停船した、これから網を揚げる模様。」
※ 網を揚げるのを見て退去勧告放送を止めたのか?
1-0434   (継続)
1-0543   (平野-003)
「該船はやや後進している、後方へ下がっている。網を揚げるに従いその反力で後方に下がっている模様。」
1-0713   (平野-004)
「どんどん後進している。」
1-0725   (平野-005)
「後部甲板に作業員が見える。」
1-0730 (0959) (映像終了 clip2に継続)



clip 2 (No.1)

fromよなくに filmed by平野 contents 8:09
http://www.youtube.com/watch?v=ET9V8gGK-pw
実写1カット

※ clip.1のつづきです。clip1とclip2は、報道によればもともとの「No 1」を分割したものだそうです。

映像
click
Clip time 実時刻
T:テロップ
映像内容・音声・ナレーション(太字)
2-0000 (0959) (clip 1の継続カットと思われる)
タイトル無く漁船映像
2-0005   (平野-006)
「現在停船してから4分30秒たった。」
※ カメラを手持ちで回していて、停船してからの経過時間を正確にいうのは至難のワザである。ナレーターは平野カメラマンとは別の人物で、ブリッジ内の映像調整卓にいる可能性も無いわけではない。
2-0035 (1000) (平野-007)
「停船後5分経過。」
2-0057   (平野-008)
「後進をやめた。5分20秒経過し後進をやめた」
2-0131   (平野-009)
「本船相当動揺している、本船の動揺は激しい」
2-0144   (平野-010)
「よなくにの動揺が激しい」
2-0227   (以下clip終了まで約7分は、仲座撮影分と重複)
並んで撮影していたのか、あるいはワイヤレスマイクなのか? 仲座氏のナレーションが漏れ入る
(仲座-001)
「該船ミンシンリョウ5179、現在揚網中である。」
2-0245 (1002) (平野-011)
「7分経過、停船してから7分経過」
2-0250   (仲座-002)
「該船ポジション Kから331度6.9マイル 北緯26度01.7 東経123度37.1」
2-0332   (平野-012)
「はあい、網が揚がってきたぁー、ホッタ-ボードがあがった、およそ8分、停船して8分、ホッタ-ボード、あみぐち開口板があがった」
2-0401   (平野-013)
「前進ゆき足に変わっている」
2-0421   (平野-014)
「動揺激しい、本船よなくにの動揺激しい」
2-0444 (1004) (平野-015)
「もうちょっと近付いてくれるかな、本船、聞こえてる? ちょっと、遠くなりました。カメラが遠くなりました。」
2-0515 (1004-5) (平野-016)
「該船のエンジン音がひときわ高くなりました。9分40秒経過。はーい、玉があがってきました。 ・・・・下がりました。・・・・該船はやや前進ゆきあし」(風で音声きえる)」
2-0754 (1007) (タイトルスーパー)
"メモリーカードが満杯になるので仲座カメラに引き継ぎ"
---- Cut out -----
2-0806   (タイトル・ボード)
「企画・制作 PL63 巡視船よなくに」



clip 3 (No.2)

from「よなくに」 filmed by 仲座 contents 11分21秒
http://www.youtube.com/watch?v=x6JcNX6AZYw
タイトル1カット、実写2カット

※ 「No 2」の前半です。カメラとカメラマンは仲座氏に交代したが、実況ナレーションの主体は「No1」の人のままです。どういう音声収録システムだったのでしょうか?

映像
click
Clip time 実時刻
T:テロップ
映像内容・音声・ナレーション(太字)
3-0000   (タイトルボード)
"ミンシンリョウ5179 No2 揚網中から衝突・逃走 PL63よなくに 仲座撮影"
3-0005 (T)1002 ---- Cut in ----
(以下約7分間は平野撮影分と重複)
(仲座-003)
「9月7日1000撮影開始」
3-0024   (仲座-004)
「該船船名ミンシンリョウ5179、現在揚網中である。」
3-0050 (1002) (平野-017)
「7分経過、停船してから7分経過」
3-0051   (仲座-005)
「該船ポジション Kから331度6.9マイル 北緯26度01.7 東経123度37.1」
3-0134 (1003) (平野-018)
「はあい、網が揚がってきたぁー、ホッタ-ボードがあがった、およそ8分、停船して8分、ホッタ-ボード、網ぐち開口板があがった」
3-0204   (平野-019)
「前進ゆき足に変わっている」
3-0225   (平野-020)
「動揺激しい、本船よなくにの動揺激しい」
(動揺は風のせいだと思われる)
3-0245   (平野-021)
「もうちょっと近付いてくれるかな、本船、聞こえてる? ちょっと、遠くなりました。カメラが遠くなりました。」
("平野"氏がインカムを通してブリッジに向って操船指揮をしている、単なるカメラマンでないことに注目!)
3-0306 (1004) (平野-022)
「9分経過」
---- Cut out ----
3-0307 (T)1005 ---- Cut in ----
3-0409   (平野-023)
「はーい、玉があがってきました。該船のエンジン音がちょっと下がりました。玉があがってきました。このあと・・・・ 該船はやや前進ゆきあし」
3-0445   (平野-024)
「煙突から黒い煙がでました。前進ゆきあしがやや強くなっています。」
3-0524 (1007) (平野-025)
「はい、12分経過、停戦してから12分経過。本船の・・・このカメラの録画メモリーが間もなく終ろうとしています。これから後は仲座くん撮影の広報用カメラに譲ります。只今12分と24秒撮影残り8秒。」
(ここまで、平野撮影分と重複撮影)
3-0554   (平野-026)
「全体写ってる? 船首から網の附近まで全体が入るようなそういうアングルで。はい、また黒い煙が出ました。」
「笛の合図、笛の音がします。いかがでしょうか」
3-0626   (平野-027)
「・・・・・、はいOK」
3-0726 (1009) 笛の音
(平野-028)「はいまた笛の音がしました、笛の合図がなりました。長音3回」
3-0753   笛の音
(平野-029)「また笛の音がなりました。長音1回」
3-0806   笛の音
(平野-030)「もう1回長音1回笛の音。ゆき足が止まったでしょうか?」
3-0822 (1010) (平野-031)
「本船の角度悪いんで、該船の右舷側もうすこし前方へ出てください、横に並ぶぐらい。あ、左舷側でもいいですよ。松下さ〜ん、該船の網があげる状況が見えるように左舷側にいきます。」
(ブリッジ)「左舷側ですね」
「そのとおりです。え〜と、ゆきあしは停まってるようです。これから該船の左舷側に行って、網を揚げる様子を撮ります。」
("平野"氏がインカムを通してブリッジに向って操船指揮をしている、単なるカメラマンでないことに注目!)
3-0903   (平野-032)
「まだ後部甲板に人影が見えます」
3-0916   (平野-033)
「行き足は止まっているように見えます」
3-0923 (1011) (平野-034)
「・・・か? ・・げん・・かさ」
3-1008 (1012) (平野-035)
「はーい、船橋まえのミサガキの甲板にも人が若干見えます。人の配置は後部甲板の方が多いようですが、後部甲板の人間が左舷側を見ています。左舷外板側を見ています。網を左舷側から前へ持ってってる可能性があります。いま、長音1回、長音1回聞こえました。後部甲板に1,2,3、・・・7人ほどいます。全部甲板には2人、後部甲板から前部に人が移動してます。」
3-1045 (1012-3) (平野-036)
「本船は該船の左舷側に出ます。該船は今停船しています」
3-1102   鳥の声
3-1113   (平野-037)
「エンジンの音がひときわ高くなりました」
3-1120 (1013) (平野-038)
「前進・・」(といいかけて映像は切れる)
(Youtubeアップロードのための映像切断だと思われる)


clip 4 (No.2)

from「よなくに」 filmed by 仲座 contents 11分24秒
http://www.youtube.com/watch?v=hbfH-MjwIpA
タイトル1カット、実写2カット

※ 「No 2」の後半です。カメラマンは仲座氏だが「ナレーション」の主体は「No1」の人物のままです。「よなくに」が漁船前方を左旋回で回り込みます。それは漁船が網を船上に引揚げたタイミングです。そして第1回目の衝突が起きます。

映像
click
Clip time 実時刻
T:テロップ
映像内容・音声・ナレーション(太字)
4-0000 (1013) (clip.3のからの継続ショット)
(平野-039)
「前進してないので揚網のための動力だと思われます。」
4-0010   (平野-040)
「あ、揚げました。いま、左舷側からクレーンを使って網を揚げました。先ほどのエンジンの音が高くなったのは、この動力源と思われます。」
4-0030   (平野-041)
「前部甲板では人の動きがあわただしい様子です。」
4-0043   (平野-042)
「というふうに仲座君、ナレーションを入れながら撮影すると、後で非常にわかりやすくなります。」
4-0049   漁船の前を左旋回、回りこんでいる
4-0102 (1014) (平野-043)
「該船は行き足が無い模様です。」
4-0112   (平野-044)
「後部に見えるのは久場島です。後方には久場島が見えます。」
4-0125   (平野-045)
「今クレーンで網をつってる様子が見えます」
4-0130   (平野-046)
「はい、また黒い煙があがって放出流が出ました。前進ゆき足です。」
4-0142   (平野-047)
「いま、網を甲板上に下ろしました。」
4-0149   「よなくに」回り込んで減速(停船?)か
漁船後方は「よなくに」の航跡
4-0153   (平野-048)
「またエンジンの回転が上がりました。」
漁船後方は「よなくに」の航跡
4-0159   (平野-049)
「本船のほうに船首を向けてきました。挑発的です。本船に船首を向け挑発的な動きを見せています。」
漁船後方は「よなくに」の航跡
4-0210   (平野-050)
「雑魚(?)を捨てました。」
4-0214   衝突直前
4-0217 (1015) (平野-051)
「xxxx本船に当てました。」
4-0219   「本船停止!」
4-0221   「今の位置確認、今の位置確認!」
4-0226   (平野-052)
「本船に衝突しました。」
「今の位置確認!」
4-0238   スピーカー
「連絡する、連絡する、台湾もとい中国漁船が本船船尾に衝突した。相手船がぶつけてきた」
4-0253   カメラは船尾方向に移動
4-0254   カメラは船尾方向に移動
4-0256   カメラは船尾右舷に移動
4-0259   カメラは船尾右舷に移動
4-0307   (仲座-006)
「該船は本船左舷船尾に衝突しそのまま逃走している」
4-0318 (1016) 汽笛4音
(仲座-007)「只今の時刻、1016」
4-0337   スピーカー「オイ、xxxxx」
(仲座-008)「該船は停船せず逃走している。」
スピーカー「xxxxxxxx」
4-0410 (1017) スピーカー「・・・・・(中国語?で怒鳴る)」
4-0435   逃げる中国漁船
4-0437   Zoom up
4-0532 (1018) 漁船前方に船
4-0555   漁船左舷前方に船
4-0629 (1019) 逃げる漁船
4-0755   カメラ登る
4-0800 (1021) (仲座-009)
「アッパーにのぼる為、ここで一旦撮影を中止する。只今の時刻、1021。」
---- Cut out ----
4-0812 (T)1022 ---- Cut in ----
(仲座-010)
「アッパーにあがり、再び撮影開始。只今の時刻、1022。」
4-0825   スピーカー「船橋から後部・・・・」
(仲座-011)
「左手に見えるのが本船に衝突した該船である。」
4-0833   (仲座-012)
「右側に見えるのが、巡視船「はてるま」である。」
4-0846   漁船と「はてるま」
4-0924 (1023) 漁船と「はてるま」
4-0940   「はてるま」が漁船の行く手に回り込む
4-1020 (1024)  漁船と「はてるま」
4-1034   漁船は進路変更したもよう
4-1101   「はてるま」も旋回
4-1109 (1025) (仲座-013)
「本船の損傷の撮影に向かうため、一旦撮影を停止する。」
---- Cut out ----
4-1121   タイトル・ボード
「企画・制作 PL63 巡視船よなくに」
(4-1124 終了)

 


 

E. 2回目の衝突

巡視船と漁船の並走状態から始まるclip.5(No.3)のビデオには、中国漁船側による『幅寄せ』が写しだされている。TV報道で繰り返されるシーンだ(下表の 5-0112 〜 5-0121)。

(毎日新聞WEB版より)

しかし、「はてるま」から撮影したclip.6 (No.4)の冒頭を見れば判るように、威嚇的な「みずき」の行動が前段としてある(下表の 6-0007 〜 6-0058)。こちらにも逆の立場の『幅寄せ』が映し出されている。こちらの方はTVでは放映されず、言及するコメンテーターは一人もいない。

(自作図)

流出版を見るかぎり、clip.5(No.3)のビデオには、『並走状態』になる前の「みずき」側からの接近シーンはない。「日本側に不利」だからだろうか? 編集でカットされたのか元々撮影されていないのか、真相は、担当の海上保安官に聞く以外に無い。




clip 5 (No.3)

from「みずき」 filmed by X氏 contents 3分33秒
http://www.youtube.com/watch?v=ZrkkE7O0u5I
タイトル1カット、実写1カット

※ 「みずき」からの撮影分で編集の結果残っているのは、両船が併走状態になってから以降です。「はてるま」の分のよりも時刻が1分ほど遅れたところからスタートしています。「みずき」が漁船の左舷方向から急接近している過程は編集で削除されています。

映像
click
Clip time 実時刻
T:テロップ
映像内容・音声・ナレーション(太字)
5-0000   (タイトルボード)
ミンシンリョウ5179 No3 「みずき」と衝突
5-0005 (1054-5) ---- Cut in ----
時刻テロップなし(X氏-001)
「平成22年9月」、背景に警笛音、「7日、よなくにと接触した、よなくにと衝突した、ミンシンリョウ5179、5179と会合した。只今の時刻1055、1055。」、スピーカーで停船命令
5-0023   (X氏-002)
「該船に対しライトメール、」(※電光掲示板のことか)、スピーカーで停船命令、「中国語による停船命令を行なうも該船停船せず。」
5-0051   スピーカーで停船命令
5-0059   「xxxくるよ」
5-0103   「こちらへ来るぞ」
5-0106   「おれーい、停まれ!」
5-0112   「くるくるくる」「くるぞー」「停まれーっ」
5-0115   接近
5-0117   接近
5-0119   接触
5-0121 (1056) (X氏-003)
「1056、該船は本船、巡視船みずきに接触した。衝突してきた。」
5-0123    
5-0127    
5-0129   (X氏-004)
「みずき右舷船尾部に衝突してきた」
5-0131    
5-0134   緊急警戒音
5-0136   両船はなれる
5-0140    
5-0151    
5-0200    
5-0204   左後方に巡視船
5-0225   巡視船2艇で挟んでいる
5-0228   みずきの船尾の向こうに
5-0235   (X氏-004)
「該船いまだに逃走中。」
5-0242   漁船にZoom up
5-0249   漁船
5-0254   (X氏-005)
「該船どこ向けコウサ中ですか?」
5-0304   (X氏-006)
「該船西向け航行中」
スピーカーで停船命令
5-0315   左方向に巡視船
5-0333 (1058) 漁船、この映像で終了




clip 6 (No.4)

from「はてるま」 filmed by Y氏 contents 2分29秒
http://www.youtube.com/watch?v=6OyYv7bKdhs
実写1カット

※ 「はてるま」からの撮影分には、「みずき」が漁船との並走状態になる前の「接近行動」がその航跡とともに映し出されています。

映像
click
Clip time 実時刻
T:テロップ
映像内容・音声・ナレーション(太字)
6-0000 (1054) ---- Cut in ----
「みずき」とその航跡の実写。タイトルボードなく、
テロップ:「巡視船はてるま撮影」

「もーか]「もーか」の声
6-0007   「みずき」の航跡は右旋回の大きな弧を描いている。
6-0014   左「みずき」とその航跡
6-0026   「みずき」の目標は中国漁船
6-0039   (Y氏-001)
「現在左側の巡視船はみずき、みずき。右側がミンシンリョウ5179、漁船である。」
6-0051   「みずき」そのままだと衝突する方向で接近。
6-0058    かなり接近。
(Y氏-002)
「現在みずきにより、停船命令、警告を実施中である」
6-0107   「みずき」寸止めで左急旋回
6-0110   左前方に並進へ
6-0116   左前方に並進中
6-0122   「またぶつけるなよ」
6-0128   両船接近
6-0130   スピーカー「2番船から2番船」
6-0135   スピーカー「ハイこちら2番船、現在の状況を」」(「4番船から・・・」の言い間違えか?)
6-0138   スピーカー「みずき、4番船みずきが、該船左舷ほうについて停船xxxのようすである、どうぞ」
6-0147   「スタxxx」「xxxxx諒解」
6-0153 (1056) 接触か?
6-0155   離れるも、水しぶきと黒煙
6-0159   スピーカーで緊急連絡「xxx・・・・・・xxx」
6-0204    
6-0209   「体当たりしかけたね」
(Y氏-003)
「2番船、いや4番船みずき、体当たりを受けた模様。」
「えっ、体当たり受けた?」
6-0224   「・・・・装置にだれか一人つけて」
「体当たり攻撃をうけたって?」
6-0229   映像終了。タイトルボードなし。
---- Cut out ----

 

 


 

 

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