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# まだ「パール真論」読んでいないので、又聞きの情報を元に書いています。 # 内容にに間違い等があったらご指摘ください。
聞いたところによると小林よしのり氏は「中島岳志氏が改竄した」と非難しているそうである。
中島氏は著書でパール判決書の内容を次のように引用しているそうです。 『
その態度は無理であり、攻撃的であり、あるいは傍若無人的なものであったかもしれない。』(『パール判事』162頁)
これに対し小林氏は上記は改竄だと非難しているそうです。
小林氏によるとは「実際の判決書の記述は次のようなものと主張されているそうです。
『その態度は無理であり、攻勢的であり、あるいは傍若無人的なものであったかもしれないが、この点については米国当局者を安全感に陥れるようになにものをも隠蔽するような試みはなされなかった。』」(『共同研究、パール判決書』下375頁)
小林氏は、中島氏は「『しれないが、』と続く文を『しれない。』と書き換えて、後半部分を省き、パールが日本外交を非難したように文意を曲げた」と非難し、「これは改竄以外の何ものでもない」と決め付けているそうである。
『SAPIO』2008年3月12日号)
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私には小林氏による非難は只の「言いがかり」としか思えません。
まず最初に指摘しておきたいのが、パール判決書の原文は英語であると言うことです。 そして、英語を翻訳する際には翻訳者によって表現に多少の違いが出てくるという事実です。
*** 翻訳による違いの例 ***
「Mr.
Tanaka and Mr. Matsui are intimate. But, Mr. Tanaka falsified Mr.
Matsui's diary. 」という英文を訳す場合、「田中氏と松井氏は親しい。 しかし、田中氏は松井氏の日誌を改竄しました。
」と訳しても、「田中氏と松井氏は親しいのに、田中氏は松井氏の日誌を改竄しました。」と訳しても、どちらも間違いとはいえません。
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『共同研究、パール判決書』の翻訳が正しかったとすると、原文は 『その態度は無理であり、攻撃的であり、あるいは傍若無人的なものであったかもしれない。』 と言う文と、 『この点については米国当局者を安全感に陥れるようになにものをも隠蔽するような試みはなされなかった』 と言う文が、「But」 もしくは 「However」 等の表現でつながっていると思われます。
つまり、 『その態度は無理であり、攻撃的であり、あるいは傍若無人的なものであったかもしれない。しかし、この点については米国当局者を安全感に陥れるようになにものをも隠蔽するような試みはなされなかった。』 と訳そうが、 『その態度は無理であり、攻勢的であり、あるいは傍若無人的なものであったかもしれないが、この点については米国当局者を安全感に陥れるようになにものをも隠蔽するような試みはなされなかった。』 と訳そうが、間違いといえないはずです。
『その態度は無理であり、攻撃的であり、あるいは傍若無人的なものであったかもしれない。しかし、この点については米国当局者を安全感に陥れるようになにものをも隠蔽するような試みはなされなかった。』 と訳した場合に、 『その態度は無理であり、攻撃的であり、あるいは傍若無人的なものであったかもしれない。』 という部分を切り出して引用することは、何の問題もありません。
この場合、小林氏による「これは改竄以外の何ものでもない』と言う非難は、「事実に反した中傷」であり、かつ「単なる言いがかり」にしかならないと思います。
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