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[5708]百人斬りアンケート かず色 08/9/15(月) 19:32
[5709]Re(1):百人斬りアンケート とほほ 08/9/15(月) 22:12
[5710]Re(1):百人斬りアンケート かず色 08/9/15(月) 22:26
[5711]Re(2):百人斬りアンケート とほほ 08/9/15(月) 22:38
[5712]Re(1):百人斬りアンケート トロープ 08/9/15(月) 23:02
[5723]Re(2):百人斬りアンケート かず色 08/9/16(火) 23:47
[5736]Re(3):百人斬りアンケート トロープ 08/9/17(水) 23:25
[5745]Re(4):百人斬りアンケート かず色 08/9/18(木) 6:58
[5751]Re(5):百人斬りアンケート トロープ 08/9/19(金) 1:21
[5753]Re(6):百人斬りアンケート かず色 08/9/19(金) 6:40
[5749]Re(4):百人斬りアンケート かず色 08/9/19(金) 0:30
[5756]Re(4):百人斬りアンケート かず色 08/9/19(金) 21:09
[5773]Re(5):百人斬りアンケート(証拠の要件) タラリ 08/9/21(日) 11:36
[5758]Re(4):百人斬りアンケート かず色 08/9/19(金) 23:30
[5759]指摘 秋時雨 08/9/20(土) 0:18
[5760]Re(1):指摘 かず色 08/9/20(土) 1:14
[5770]Re(2):指摘 秋時雨 08/9/21(日) 0:50
[5765]Re(5):百人斬りアンケート トロープ 08/9/20(土) 14:43
[5766]Re(6):百人斬りアンケート かず色 08/9/20(土) 16:09
[5767]季刊戦争責任50号をお勧めします 核心 08/9/20(土) 18:45
[5779]Re(7):百人斬りアンケート かず色 08/9/22(月) 22:35
[5782]Re(8):百人斬りアンケート トロープ 08/9/23(火) 0:58
[5783]Re(9):百人斬りアンケート かず色 08/9/23(火) 7:09
[5792]Re(10):百人斬りアンケート トロープ 08/9/23(火) 12:47
[5793]Re(11):百人斬りアンケート かず色 08/9/23(火) 13:20
[5795]Re(12):百人斬りアンケート トロープ 08/9/23(火) 13:48
[5796]Re(13):百人斬りアンケート かず色 08/9/23(火) 13:58
[5798]主体的議論をお願いします。 タラリ 08/9/23(火) 14:08
[5794]Re(11):百人斬りアンケート かず色 08/9/23(火) 13:34
[5797]Re(12):百人斬りアンケート トロープ 08/9/23(火) 14:07
[5799]Re(13):百人斬りアンケート かず色 08/9/23(火) 15:03
[5784]Re(9):百人斬りアンケート かず色 08/9/23(火) 8:34
[5785]Re(10):百人斬りアンケート とほほ 08/9/23(火) 9:06
[5786]Re(10):百人斬りアンケート とほほ 08/9/23(火) 9:54
[5787]Re(11):百人斬りアンケート とほほ 08/9/23(火) 10:29
[5788]Re(12):百人斬りアンケート かず色 08/9/23(火) 10:53
[5789]Re(13):百人斬りアンケート とほほ 08/9/23(火) 11:04
[5790]Re(14):百人斬りアンケート かず色 08/9/23(火) 11:27
[5791]Re(15):百人斬りアンケート とほほ 08/9/23(火) 11:34
[5800]秦氏の資料は高評価、評論は無価値 タラリ 08/9/23(火) 15:03
[5801]Re(1):秦氏の資料は高評価、評論は無価値 かず色 08/9/23(火) 15:21
[5802]Re(2):秦氏の資料は高評価、評論は無価値 とほほ 08/9/23(火) 16:14
[5804]Re(2):秦氏の資料は高評価、評論は無価値 タラリ 08/9/24(水) 23:59
[6143]Re(3):秦氏の資料は高評価、評論は無価値 かず色 09/1/11(日) 15:09
[6145]Re(4):秦氏の資料は高評価、評論は無価値 トロープ 09/1/11(日) 15:53
[6146]Re(5):秦氏の資料は高評価、評論は無価値 かず色 09/1/11(日) 16:46
[5768]Re(4):百人斬りアンケート かず色 08/9/20(土) 22:31
[5774]Re(5):百人斬りアンケート トロープ 08/9/21(日) 13:38
[5775]Re(6):百人斬りアンケート かず色 08/9/21(日) 17:42
[5776]定義はしっかりと タラリ 08/9/21(日) 23:12
[5778]Re(1):定義はしっかりと かず色 08/9/22(月) 22:28
[5780]Re(2):定義はしっかりと とほほ 08/9/22(月) 23:09
[5781]Re(3):定義はしっかりと かず色 08/9/23(火) 0:07
[5713]Re(1):百人斬りアンケート タラリ 08/9/16(火) 0:36
[5714]Re(2):百人斬りアンケート タラリ 08/9/16(火) 0:41
[5715]200人以上は斬ったと判断します。 熊猫 08/9/16(火) 0:49
[5725]Re(1):200人以上は斬ったと判断します。 かず色 08/9/16(火) 23:57
[5726]Re(2):200人以上は斬ったと判断します。 とほほ 08/9/17(水) 1:30
[5727]Re(2):200人以上は斬ったと判断します。 とほほ 08/9/17(水) 1:38
[5728]Re(2):200人以上は斬ったと判断します。 とほほ 08/9/17(水) 1:46
[5729]Re(2):200人以上は斬ったと判断します。 とほほ 08/9/17(水) 1:57
[5730]Re(2):200人以上は斬ったと判断します。 熊猫 08/9/17(水) 2:53
[5731]Re(3):200人以上は斬ったと判断します。 かず色 08/9/17(水) 22:02
[5733]Re(4):200人以上は斬ったと判断します。 とほほ 08/9/17(水) 22:20
[5738]Re(5):200人以上は斬ったと判断します。 かず色 08/9/17(水) 23:45
[5739]Re(6):200人以上は斬ったと判断します。 とほほ 08/9/18(木) 0:22
[5743]Re(7):200人以上は斬ったと判断します。 かず色 08/9/18(木) 6:25
[5746]Re(8):200人以上は斬ったと判断します。 とほほ 08/9/18(木) 8:53
[5740]Re(6):200人以上は斬ったと判断します。 タラリ 08/9/18(木) 0:25
[5744]Re(7):200人以上は斬ったと判断します。 かず色 08/9/18(木) 6:28
[5734]議論について 秋時雨 08/9/17(水) 22:44
[5735]Re(4):200人以上は斬ったと判断します。 秋時雨 08/9/17(水) 22:45
[5741]Re(4):200人以上は斬ったと判断します。 熊猫 08/9/18(木) 1:34
[5742]Re(5):200人以上は斬ったと判断します。 かず色 08/9/18(木) 6:23
[5750]Re(6):200人以上は斬ったと判断します。 熊猫 08/9/19(金) 0:55
[5752]Re(7):200人以上は斬ったと判断します。 かず色 08/9/19(金) 6:30
[5755]Re(8):200人以上は斬ったと判断します。 熊猫 08/9/19(金) 17:17
[5762]Re(9):200人以上は斬ったと判断します。 かず色 08/9/20(土) 7:26
[5763]Re(10):200人以上は斬ったと判断します。 ひぐらし 08/9/20(土) 9:53
[5876]Re(10):200人以上は斬ったと判断します。 熊猫 08/10/19(日) 19:08
[5878]Re(11):200人以上は斬ったと判断します。 かず色 08/10/20(月) 22:50
[5884]Re(12):200人以上は斬ったと判断します。 熊猫 08/10/21(火) 1:34
[5772]「史料価値」の話 ゆう 08/9/21(日) 6:59
[5716]原剛氏も文藝春秋社も捏造派なので 核心 08/9/16(火) 1:41
[5720]Re(1):百人斬りアンケート ひぐらし 08/9/16(火) 10:59
[5721]Re(1):百人斬りアンケート ゆう 08/9/16(火) 22:01
[5722]Re(2):百人斬りアンケート タラリ 08/9/16(火) 22:54
[5732]Re(3):百人斬りアンケート かず色 08/9/17(水) 22:10
[5737]Re(4):百人斬りアンケート トロープ 08/9/17(水) 23:39
[5860]Re(1):百人斬りアンケート かず色 08/10/19(日) 1:45
[5875]Re(2):百人斬りアンケート 熊猫 08/10/19(日) 16:01
[5877]Re(3):百人斬りアンケート かず色 08/10/20(月) 22:32
[5883]Re(4):百人斬りアンケート 熊猫 08/10/21(火) 0:09
[5885]Re(5):百人斬りアンケート かず色 08/10/21(火) 23:17
[5886]Re(6):百人斬りアンケート とほほ 08/10/21(火) 23:35
[5888]Re(7):百人斬りアンケート かず色 08/10/21(火) 23:56
[5889]Re(8):百人斬りアンケート とほほ 08/10/22(水) 0:03
[5890]Re(8):百人斬りアンケート ピッポ 08/10/22(水) 7:54
[5891]Re(9):百人斬りアンケート かず色 08/10/22(水) 23:32
[5892]Re(10):百人斬りアンケート ピッポ 08/10/23(木) 2:01
[5894]Re(8):百人斬りアンケート トロープ 08/10/23(木) 2:38
[5897]Re(6):百人斬りアンケート 熊猫 08/10/23(木) 3:43
[5945]Re(7):百人斬りアンケート かず色 08/10/28(火) 23:08
[5947]Re(8):百人斬りアンケート 熊猫 08/10/29(水) 8:45
[5951]Re(9):百人斬りアンケート かず色 08/10/30(木) 23:54
[5954]Re(10):百人斬りアンケート 熊猫 08/10/31(金) 4:29
[5956]Re(11):百人斬りアンケート かず色 08/10/31(金) 21:19
[5962]Re(12):百人斬りアンケート 熊猫 08/11/1(土) 12:05
[5963]Re(13):百人斬りアンケート かず色 08/11/1(土) 13:21
[5973]Re(14):百人斬りアンケート かず色 08/11/1(土) 21:07
[5960]Re(11):百人斬りアンケート かず色 08/10/31(金) 23:45
[5961]Re(11):百人斬りアンケート かず色 08/11/1(土) 0:22

////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////
[5759]指摘
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 秋時雨  - 08/9/20(土) 0:18 -

引用なし
パスワード
   指摘したいことはいくつかありますがとりあえず

かず色さんは、原剛氏の
「何人かは斬殺した」見解に概ね同意であるといわれました。

一方で
「現時点での両少尉の斬殺行為の立証については、極めて困難」
だと言ってます。

この二つは論理構成をなしておりません。矛盾してます。

詳しい説明をお願いします。
562 hits

[5760]Re(1):指摘
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 かず色 E-MAIL  - 08/9/20(土) 1:14 -

引用なし
パスワード
   ▼秋時雨さん:

原剛氏発言は「何人かは殺したであろうが(中略)」であり、貴方が云う「何人かは斬殺した」ではありません。前者は状況証拠等を慎重に勘案した上での推論・見解といってよいでしょう。これと斬殺行為の「立証」とは、論理構成が異なります。

貴方が「論理構成を為していない」と主張される論理的根拠を説明してください。

>かず色さんは、原剛氏の
>「何人かは斬殺した」見解に概ね同意であるといわれました。
>
>一方で
>「現時点での両少尉の斬殺行為の立証については、極めて困難」
>だと言ってます。
>
>この二つは論理構成をなしておりません。矛盾してます。
>
>詳しい説明をお願いします。
562 hits

[5762]Re(9):200人以上は斬ったと判...
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 かず色 E-MAIL  - 08/9/20(土) 7:26 -

引用なし
パスワード
   ▼熊猫さん:

3点指摘いたします。

先ず、貴方が両将校による「百人を斬った」云々の新聞記者等への証言に全面的に依拠して持論を展開している点は、正直理解に苦しみます。当該問題の「完全否定論者」が、主に両少尉の南京法廷での発言や手記、遺書等の内容に依拠し「完全否定論」を展開していることと、論理の基本的構造は酷似しているように思料いたします。

2点目は、浅海記者の当該記事の創作性を完全に否定する論拠が薄弱です。浅海証言の信憑性については、当時の「戦争と新聞」を巡る時代状況、当該記事が戦意高揚記事として完成度が高いこと、発言内容の慎重な検討、浅海記者の戦後著書から推察されるある種の「狂信性」「非客観性」等を総合的に勘案し、一定の距離感をもって検証するべきでしょう。貴方の主張は、所謂「完全否定論者」が云うところの根拠無き「浅海証言は嘘」と変わらないように感じます。

3点目は掲示された有名な写真の件ですが、それと「百人斬り」の全面的肯定がどのように関連するのか、正直理解に苦しみます。両将校の当該写真が常州で撮影された、それだけです。
また、2枚目の写真で日本刀の柄の部分に着目されておりますが、それが「百人斬り」の有力な論証の材料になると、本当にお考えですか。
567 hits

[5763]Re(10):200人以上は斬ったと判...
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 ひぐらし  - 08/9/20(土) 9:53 -

引用なし
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   あなたは一言で言えば
「現時点では何も確かなことは立証されていない」
って言いたいのかな?
583 hits

[5765]Re(5):百人斬りアンケート
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 トロープ  - 08/9/20(土) 14:43 -

引用なし
パスワード
   >先述の論理構成から、現時点での両少尉の斬殺行為の「立証」については、極めて困難であるとの認識を抱いております。
>
>本件に関する貴方の見解並びにその論拠を是非、お聞かせ願いたく。

 私の見解は「『百人斬り』の実態は無抵抗の相手に対する斬殺である」とすでに書きましたので、その論拠ということでよろしいでしょうか。一応そうだという前提でお答えします。すでに他の方が書かれたこととも重複してますが、ご了承ください。

●状況証拠1:本人の「告白」
 秦氏の調査により、野田少尉が講演で捕虜斬殺を「告白」していたことはほぼ確実となりました。
 もし少尉らが捕虜を斬殺していなかったならば、講演の場で「実際は投降してきた兵士を斬っていた」と語ったことに説明がつきません。あまりに大事になって恥ずかしかったという可能性もありますが、それなら「百人斬りというけど、実際に斬り殺した相手は報道よりずっと少ないんだよ」で充分でしょう。わざわざ捕虜殺害という不名誉な嘘をついてまで辻褄合わせをする必要はまったくないのです。
 どのような心情でそうしたのかは想像に頼るしかありませんが、野田少尉は講演において正直に真相を語ったと受け取るのが最も妥当だと思います。

●状況証拠2:百人斬りの歌
 もし白兵戦での百人斬りも据えもの斬りもやっていなかったとするなら、なぜ「百人斬りの歌」などが作られたのかという疑問が発生します。遠く離れた母国で「百人斬り」という架空の武勇伝が報道されたことは知っていたにしても、そんな事実がないことを熟知している当人らがわざわざ歌にする動機は弱いでしょう。つまり両少尉の周辺で何かの「事実」はあったと見るのが妥当だと思います。もちろん白兵戦で大量の敵を斬り殺したということはありえません。

●状況証拠3:弁護の不在
 たとえ戦争中であったとしても、無抵抗の人間を斬り殺すということは大変な悪行です。もしそれが冤罪であったなら、現場に居合わせた人々は進んで彼らの無罪を証言するはずです。ところが、そう証言する人は誰一人としていない。これはどう考えても不自然です。現場に居合わせた人々の弁護がない事実は、両少尉が無抵抗の人間を斬り殺していた事実を間接的に証明しているとみるのが最も妥当です。

●状況証拠4:望月五三郎氏の証言
 望月五三郎氏の私家本には、両少尉による無抵抗の相手の殺害が明確に描かれています。これが信用できないというのは、望月氏が意図的に嘘を書いている場合、あるいはなんらかの理由で偽記憶が発生している場合となるでしょう。
 まず意図的に嘘を書いたという場合ですが、そうする望月氏側の動機が見つからない以上は、正直に書いているものと受け取るべきです。望月氏が両人を嫌っていたという客観的な証拠は存在しないはずです。
 次に記憶が薄れて不正確になっている場合ですが、いわゆる「戦後教育」に不満を抱いていると推測される望月氏が、わざわざ「百人斬り」に限って日本軍にとって不名誉な方向に方向に記憶を修正するとも考えにくいです。したがってこちらのケースも考えにくいと私は判断します。

●状況証拠5:試し斬りの常態化
 有名な記述ですが、第16師団長・中島今朝吾の日記には当たり前のように捕虜の「試し斬り」が書き記されています。他にも複数の証言があり、当時の日本軍ではそのような行為が常態化していたことが窺えます(中島日記にしても、「高山剣士」の物珍しさがなければわざわざ書き残さなかったかもしれません)。
 そのような状況下で、特に大量の人を斬ったと吹聴している人物らが捕虜斬殺に手を染めていなかったというのは非常に考えにくい。周囲には捕虜を斬っている者が何人もいるのに、架空の人斬りしかやっていない人物が、何かを自慢するとも思えません。逆に飛びぬけて多くの人間を斬っていたとするなら、自慢する充分な動機になります。


 すぐに思いつく範囲では以上の5点が私の論拠となります。ひとつひとつでは弱いかもしれませんが、それらが互いに矛盾なく両少尉の捕虜斬殺の事実を補強する方向で揃っている以上、実際に何が起こっていたかは充分に推察可能です。
 おそらくかず色さんの求める「立証」ではないでしょうが、これだけの状況証拠があれば、両少尉が戦闘外で中国兵(あるいは民間人)を斬り殺していたと判断するのが普通であると思います。歴史学における「立証」のハードルは強力な証拠のひと跳びではなく、複数の証拠の積み重ねによって越えるものではないでしょうか。
540 hits

[5766]Re(6):百人斬りアンケート
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 かず色 E-MAIL  - 08/9/20(土) 16:09 -

引用なし
パスワード
   ▼トロープさん:

ご丁寧はお返事ありがとうございます。

私が求めていた「斬殺事実の立証」とは、若干回答の主旨が異なっておりますが、最後のコメントで貴方のお考えが良く理解できました。

提示された状況証拠については、「4.望月五三郎の証言」を除いて、概ね同感です。本質的な点で、貴方の見解に対して反論すべきところはありません。特に<史学における「立証」のハードルは強力な証拠のひと跳びではなく、複数の証拠の積み重ねによって越えるものではないでしょうか。>との貴方の見解には、非常に共感を覚えました。当該指摘部分は正に「歴史研究の醍醐味」ですから。但し、所謂「百人斬り」に関しては、現実問題として戦後の報道により精神的苦痛を感じているご遺族が存在し、且つ当該事件は南京事件研究といった「歴史研究」の本質とはあまり関係のない事ではありますので、私は「立証」の観点を重視し、自身の言動には慎重を期したいと考えております。

さて、秦郁彦氏は『政経研究』に於ける論文で、鹿児島等での聴き取り調査や六車証言を紹介した後、「さまざまな解釈は可能だが、どうやら前線では百人斬りはさしたる話題にはならず、なっても新聞の誇大な武勇伝のひとつとして軽く受け止められていたらしい。そして数年たつと、内外を問わず二人は有名人になってしまったが、勲章の対象となる武功でもないだけに、二人はどう対応したらよいかととまどった様子が窺える」と見解を披瀝しております。
両少尉の虚栄心や自己顕示欲と、新聞の誇大宣伝によってこの「物語」は創り上げられ、結果、当事者自身がとまどっていたと考えるのが、状況証拠から積上げた推論として一番無難なように私も思います。その論拠の詳細については、また改めて書込みさせて頂きます。
537 hits

[5767]季刊戦争責任50号をお勧めし...
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 核心 E-MAIL  - 08/9/20(土) 18:45 -

引用なし
パスワード
   私は防衛研究所戦史部主導の机上の空論にはあまり興味はありません。
その当時の日本兵は必死になって中国人なり中国兵を刀で斬り殺していたのです。
百人斬り程度はその当時の日本兵の間で大した話題にもならなかったのは、それが日常茶飯的な出来事だったからです。
季刊戦争責任50号に掲載されている当時の新聞記事でも読まれることをお勧めします。
私はたまたま父から聞いていたことなので理解できるのですが、昭和30年すぎからは捏造派の方々がそれらの事実を恥じて、隠蔽されようとしていることは阿部輝郎氏の諸著作から窺い知っています。
537 hits

[5768]Re(4):百人斬りアンケート
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 かず色 E-MAIL  - 08/9/20(土) 22:31 -

引用なし
パスワード
   ▼トロープさん:

(2)について回答いたします。

私が考える「百人斬り」の定義

1.期    間
  昭和12年11月25日頃〜12月13日頃迄
2.地 域 範 囲
  無錫〜南京間
3.実  行  者
(1)N少尉(第十六師団歩兵第九聯隊第三大隊 大隊副官)
(2)M少尉(       〃        歩兵砲小隊長)
4.斬  殺  数
  両将校単独で、100名以上
5.斬 殺 対 象
  中国人
6.斬 殺 方 法
  日本刀による斬首

以上です。

> というわけで、お手数ですが2点についてのご回答をお願いします。
>(1)捕虜惨殺を「立証」するにはどのような証拠が必要と考えていらっしゃいますか?
>(2)『所謂「百人斬り」』とはどのようなものを想定なさっているのですか?
530 hits

[5770]Re(2):指摘
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 秋時雨  - 08/9/21(日) 0:50 -

引用なし
パスワード
   >原剛氏発言は「何人かは殺したであろうが(中略)」であり、貴方が云う「何人かは斬殺した」ではありません。前者は状況証拠等を慎重に勘案した上での推論・見解といってよいでしょう。
 
まず説明になり得ていません。

学術上普通は、事実を証明するために
「状況証拠などを慎重に勘案した上で推論していく作業」=「立証」というのですが。

かず色さんの言葉も交えていきましょう。
http://t-t-japan.com/bbs2/c-board.cgi?cmd=one;no=5708;id=sikousakugo#5708

>原剛元防衛研究所戦史部主任研究官のように「何人かは殺したであろうが、

>現在では原剛氏見解と概ね同見解であります

このようにあなたは
・現在では原剛氏の何人かは殺したであろうという見解と概ね同じ

だといってます。


一方で、該当事実を証明するためのかず色さん流「立証」定義をされて

http://t-t-japan.com/bbs2/c-board.cgi?cmd=one;no=5756;id=sikousakugo#5756
>当該事実の「立証」の要件とは、・・・合理的且つ明確な根拠による斬殺事実の「立証」には、厳密な史料による裏付が必須であると思料いたします。
(秋時雨注 史料考証のイロハを書き連ねたもの)

その後
http://t-t-japan.com/bbs2/c-board.cgi?cmd=one;no=5758;id=sikousakugo#5758

>現時点での両少尉の斬殺行為の「立証」については、極めて困難であるとの認識を抱いております。

・つまり現時点では斬殺行為をした言えない

だと仰ってます。

・原剛氏の何人かは殺したであろうという見解と概ね同じ
・現時点では斬殺行為をしたと言えない

結論が矛盾するので読む側としては理解できません。改めて説明を願います。
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[5772]「史料価値」の話
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 ゆう E-MAILWEB  - 08/9/21(日) 6:59 -

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   かず色さんは、お仕事でお忙しい中、さらにみなさんのレスへの対応にも大忙しのご様子ですので、あえて熊猫さんへのレスにします。


拙サイト「ラーベ日記は三等資料か?」の趣旨は、次のようなものです。
http://www.geocities.jp/yu77799/sigakugairon.html

1.東中野センセ、いくら何でも戦前の古臭い「資料等級」論なんて持ってくるなよ。この分類、現代の眼で見たら、明らかにヘンテコだろ?

これがメインでして、以下はおまけのようなもの。

2.そもそも「三等資料」って、悪口じゃないだろ。史料として立派に使える「根本史料」の一つだろうが。

2.だいたい、何で「ラーベ日記」が「三等史料」なんだ? 素直に定義を見直すと、「二等史料」、あるいは「一等史料」に分類するのが本当じゃないの?



まあ、構想中の「戦争論2の妄想」でも、このあたりを採り上げることになると思います。・・・というか、この分類をネットに広めた「罪」は、明らかに小林氏にあると思いますので。


ついでですが、かず色さんの投稿を読み返すと、別にかず色さんは「私家本」自体の史料価値を否定しているのではないと思います。単に、怪しげなものが多いから慎重に扱うべき、というごく普通の「一般論」を述べているだけでしょう。

これ自体は、全くその通りだと思います。ただ、これはかず色さんの考えとも一致していると思うのですが、「私家本」だからといって頭からその「史料価値」を否定する必要はありません。例えば秦氏「南京事件」にも、私などには到底入手不能の「私家本」が、いくつも重要史料として採用されていますよね。

要は、私がいつも書くとおり、「証言の信頼性」は、証言者の資質、証言の状況、証言内容などを総合的に勘案して決定されるべきものである、というだけの話であると思います。


なお阿羅氏などは、「この証言には何百箇所も間違いがある」という、ほとんど「揚げ足取り」でもって「証言」の全体を否定する、という手法がお得意のようですが、私はこの手法には違和感を持ちます。

リアルタイムの日記ならともかく、後日の回想から「ミス」を根絶することなど、不可能です。


例えば、松本重治氏の「上海時代」。1970年代に「中央公論」に連載されたもので、その記述の細かさ、いろいろな要人との会話のリアルさは驚嘆すべきものです。

しかし一番驚くのは、松本氏は何の日記もつけておらず、当時の自分の報道記事や他の方の回想録などで記憶を呼び起こして、この本を書いたことです。

当然ながら、おそらく細部は間違いだらけでしょう。「松井石根大将の涙の訓示」の日付の記憶違いなど、有名ですよね。でも、「この本は、当時の日中関係を知る上で超一級の資料である」という評価に反対する方は、誰もいないでしょう。


要は、「細部の間違い」で全体を否定するのではなく、個々の証言内容に即して、「この証言者がこのような記憶を持っていたことは信頼できるか」という視点から見ればいい話である、と思います。
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[5773]Re(5):百人斬りアンケート(証...
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 タラリ E-MAIL  - 08/9/21(日) 11:36 -

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   ▼かず色さん:
>▼トロープさん:
>
>> というわけで、お手数ですが2点についてのご回答をお願いします。
>>(1)捕虜惨殺を「立証」するにはどのような証拠が必要と考えていらっしゃいますか?

>当該事実の「立証」の要件とは、所謂「虐殺否定論者」から「大虐殺派」に至る、全ての当該論争参加者が概ね納得する合理的・明確な根拠の提示であると考えます。

求められているのは「立証」するにはどのような証拠が必要か、ということです。
証拠に求められている内在的要件を問うているのです。
だれそれが認める、というのはそれとは無関係です。
「合理的・明確な根拠」という形容は当然のことで、言うまでもないことです。
つまり、かず色さんはトロープさんの問いに対して、何も答えていません。

ちなみに私が答えることになればこう答えます。

1.二少尉が任意に捕虜斬首を告白すること。
  (任意にというのは、二少尉が強制もされず、また何らかの利益を与えられる
   という条件なしに、告白するということです)

2.第三者が二少尉の捕虜斬首を目撃して記録、証言すること
  これも任意性が必要です。
  具体的には捕虜斬首を証言して二少尉に利益を与える目的ではなく、
  あるいは二少尉を陥れる目的でもなく、
  また、捕虜斬首を証言することによって証言者がなんらかの利得を得ることもなく
  あるいは、なにものかに捕虜斬首を証言することを強制されたのでもなく

3.以上のことが資料・証言から妥当な解釈によって読みとれればよいとします。

4.さらに1.2.が当時の戦局、日本兵の意識といった「百人斬り競争」を取り巻く大状況に矛盾しないことが必要です。


>合理的且つ明確な根拠による斬殺事実の「立証」には、厳密な史料による裏付が必須であると思料いたします。具体的には戦闘詳報や陣中日誌、その他公文書(或いはそれに準ずるもの)が最も客観的な史料と云えるでしょう。但し、これら史料には両少尉の斬殺事実らしきものは記載されておりません。

戦闘詳報・公文書で捕虜の具体的な殺害方法を記録したものはほとんどなく、その実行者を記録したものは皆無です。陣中日誌であれば、そのような記録の可能性もあるでしょうが、公開されている陣中日誌は数が希少です。これがあればもちろん、確定しますが、ないからと言って斬殺事件を否定することはできないので、このような資料を「立証に必要な記録である」とすることはできません。


>次に、当事者周辺の証言についてですが、これも有力な「立証」要件になると考えます。実際に実見した両少尉の「斬殺行為」に関する複数の第三者証言、或いは当該事実を記述した「陣中日記」等が出れば、それら個々の史料の厳密な検証と比較検討作業、並びに所属部隊の作戦行動等との整合性を勘案し、「立証」の為の合理的論拠が導き出せるのではないでしょうか。

「斬殺行為」に関する第三者証言が「複数である」ことを要件とすることはできません。このような証言はかつての戦友、上官を売り渡すものとして、旧軍人、右翼、歴史修正主義者たちから、非難・脅迫されるおそれがあり、基本的に出にくい性質のものです。そのような重圧に抗して出てくるということは一件であっても非常に重要な価値を有します。
「陣中日記」については先に触れました。「陣中日記」はそれ自体で個人の証言より遙かに決定的な資料となるのはご存じのはずですが、個人の証言を裏打ちするのにそれらの資料があればいい、とは途方もなく慎重な言い方であり、そこまで資料の信憑性に対するバーを高くしようというのは理解できません。


>然しながら、上記で示した両少尉の斬殺事実に関する、極めて具体的な証言は「望月証言」だけであり、個人的見解としては同証言の資料としての採用は慎重を期すべき(厳密な史料批判が必要)であると考えます。

「望月証言」の厳密な史料批判は必要です。しかし、かず色さんによる「厳密な史料批判」というものは、いまだ提示されていません。

かず色さんが提示されたのは
1.城門を大砲がうち砕いたのは間違い、このような間違いが多数ある(恐れ)
2.いわゆる「私家本」不信論

これだけです。「望月証言」の百人斬りについての該当部分についての具体的な批判は皆無です。

私は私なりに上記の2.項をクリアーする史料批判を行ったつもりですが、まずはかず色さんによる「厳密な史料批判」をお願いします。
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[5774]Re(5):百人斬りアンケート
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 トロープ  - 08/9/21(日) 13:38 -

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   ▼かず色さん:
>私が考える「百人斬り」の定義
>
>1.期    間
>  昭和12年11月25日頃〜12月13日頃迄
>2.地 域 範 囲
>  無錫〜南京間
>3.実  行  者
>(1)N少尉(第十六師団歩兵第九聯隊第三大隊 大隊副官)
>(2)M少尉(       〃        歩兵砲小隊長)
>4.斬  殺  数
>  両将校単独で、100名以上
>5.斬 殺 対 象
>  中国人
>6.斬 殺 方 法
>  日本刀による斬首
>
>以上です。

 ご丁寧にありがとうございます。ただ、どうにも腑に落ちない点があります。単独の定義としては特に文句はないのですが、この定義に基づいて議論をしている人はいるのだろうかという疑問が浮かぶのです。
 たとえば殺害方法が斬首に限定されている点です。新聞記事ではそのような注釈はなかったはずですので、新聞報道の武勇伝としての「百人斬り」を指す定義ではないことになります。もしかすると据えもの斬りを想定されているのかもしれませんが、据えもの斬り説を唱える論者の中で、殺害数を各100人以上と特定している人の心当たりもありません。ほかにも微妙に気になる点はあるのですけど。

 せっかく回答していただいたところに質問を重ねて恐縮なのですが、かず色さんの定義を用いて「百人斬り」の議論をしている論者は実在するのでしょうか? 『所謂「百人斬り」』ということはそれなりに使用されているのかもしれませんが、個人的にはどうもしっくりこないのです。
 かず色さんとしては「存在しなかった」という扱いでしょうし、私も上記の定義に従うなら立証されたとは言いません。ただ、もし誰も主張していないような内容であれば、「定義」する意味がないと思うのです。実際に何が起こったかの議論とはほとんど無関係ですし、あまりこだわることでもないのかもしれませんが、どなたがその「定義」を肯定的に用いてる(用いていた)のかお教えいただけないでしょうか。
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[5775]Re(6):百人斬りアンケート
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 かず色 E-MAIL  - 08/9/21(日) 17:42 -

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   ▼トロープさん:

>実際に何が起こったかの議論とはほとんど無関係ですし、あまりこだわることでもないのかもしれませんが、どなたがその「定義」を肯定的に用いてる(用いていた)のかお教えいただけないでしょうか。

私自身の「単独の定義」です。あまり議論する意味はないでしょう。
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[5776]定義はしっかりと
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 タラリ E-MAIL  - 08/9/21(日) 23:12 -

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   ▼かず色さん:
>▼トロープさん:
>
>>実際に何が起こったかの議論とはほとんど無関係ですし、あまりこだわることでもないのかもしれませんが、どなたがその「定義」を肯定的に用いてる(用いていた)のかお教えいただけないでしょうか。
>
>私自身の「単独の定義」です。あまり議論する意味はないでしょう。

議論の前提となる共通認識を確認するというのが定義の機能ですから、他者の認識を無視して「単独の定義」です、と言って済ますわけにはいかないでしょう。

もし、かず色さん自身もお示しになった「定義」を使用して議論をしている人を指定できないとすれば、だれとも議論をする気はないということを示しています。


また、実行可能性、検証可能性を度外視した定義をしてしまえば、現実のことを議論するのに使うことは出来なくなります。

二少尉が百人以上斬ったところを見た人は誰もいません。史実派も二少尉が誇大に言った可能性は否定していません。すべてが斬首であるとする人のことは聞いたこともありません。かず色さんの定義を使用するひとが他にあるとは信じることができません。
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[5778]Re(1):定義はしっかりと
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 かず色 E-MAIL  - 08/9/22(月) 22:28 -

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   定義の件ですが、今回書込みをするあたって中国政府公式見解から、最近の各論客の見解等を纏めてみたつもりです。私個人の「単独の定義」ではありますが、まあこんなものかな、といった程度のものです。

皆様異論もあるかと拝察しますが、私はこういった議論にはあまり意味を見出せませんので、私の見解は無視して下さい。

当該問題の定義は複数存在すると考える立場です。
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[5779]Re(7):百人斬りアンケート
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 かず色 E-MAIL  - 08/9/22(月) 22:35 -

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   「百人斬り」事件に関する個人的見解1.

 所謂「百人斬り」論争などは所詮、南京戦史・事件研究にとって本質的議論とはなり得ないと従前より考える立場ですが、当該論争が昭和46年の朝日新聞報道以降、現在に至るまで所謂「大虐殺派」と「虐殺否定派」を中心に激しい論争を繰り広げている現状、並びに中国政府が現在も当該「殺人競争」を重要視している等を鑑み、私なりの所見を纏めてみたいと思います。

 ます、私の見解を端的に申し上げますと、当該事件の基本的原因・構図は次のようなものであったのではないか、と推察しております。

○両少尉の有名になりたい、虚栄心、自己顕示欲
○当時一般的であった戦時報道に於ける誇大報道、ジャーナリズムの堕落
○戦意高揚記事を喜んで受け入れた一般国民
○陸軍報道部が新聞メデイアを国内の戦意高揚目的に利用したこと、等。

 これら複合的要因が複雑に絡み合い、「百人斬り」といったストーリーが形成されていったのではないか、と考えます。但し、残念ながら当該事件に関する議論に接する限り、その多くは「百人斬りはでっち上げである。記者の創作記事だ」「両少尉は百人を斬ったと言っている。記者は創作記事とはいっていない。百人斬りは間違いない事実だ」といった議論が中心であり、私の見解は少数派であるのも事実ではあります。

 然しながら、私は当該議論の今後の展開に一つの光明を見出してもおります。平成18年12月22日に「百人斬り訴訟」に於ける原告側上告及び上告受理の申し立てに対し、最高裁判所は棄却いたしました。裁判闘争に於ける不毛なロジックから双方が解放され、冷静な事実検証が今後進んで行くのではないかと、密かに期待しております。

それでは、私の当該問題に関する基本的スタンス・見解を述べていきたいと思います。

1.当時の戦時報道をめぐる状況
 
 日中戦争当時のメディアは新聞とラジオが中心でしたが、特に新聞報道が国民世論の形成に果たした役割は大きく、一方で国民世論も新聞メディアの報道姿勢に影響を与えたことはこの時期の特徴でもあります。私は昭和初期の朝日新聞縮尺版を近所の国会図書館関西館で読むのが密かな楽しみなのですが、この時期の報道を熟読していると、大正時代末期から昭和6年あたり迄の新聞報道が比較的客観報道に終始しており、政府・軍の批判も珍しくないことが分かります。昭和3年には有名な張作霖爆殺事件が起こりますが、当時「真犯人」は謎であったにも関わらず、主要新聞は概ね陸軍批判を行っているのもその一例でしょう。

 新聞報道が大きく転換するのが昭和6年9月の満州事変です。当該事変に接し、多くの新聞メディアはその報道姿勢の転換に若干の躊躇があったようにも見受けられますが、朝日新聞等の主要メディアは最終的に「事変支持・関東軍支持」に傾きます。背景には様々な要因が考えられ、現在も歴史学の分野で研究が進められておりますが、結果的に満州事変報道(戦時報道)での戦意高揚記事の連発(特ダネ競争)によって、新聞各社は大きく発行部数を伸ばしていきました。逆に、大阪朝日新聞のようにジャーナリズムの気骨を示し、軍部批判を展開した新聞社は、一般大衆からの激しい反発・不買運動によって大きく部数を落とします(その後、大阪朝日は社論を転換)。
 尚、この時代の新聞報道の問題点については、最近朝日新聞社から出版された『新聞と戦争』に詳細に記述がなされております。戦意高揚等に如何にメディアが加担したのかを告発した第一級の著作としてお勧めいたします。
 
 当時の新聞メディアの戦争報道のもう一つの特徴として、軍部、とりわけ陸軍との取材対象の一線を越えた「密接な関係」が指摘できます。満州事変、第一次上海事変、一連の華北工作、そして日中戦争に至る間、新聞は他社との熾烈な「号外合戦」を繰り広げますが、その為の記者への便宜等は、全て陸軍省新聞班が窓口となります。陸軍省新聞班の後身が「陸軍情報部・陸軍報道部」であったことからも分かるように、メディア操作による情報工作・国内世論工作が主要目的であり、優秀な人材を送りこみます。
こうした背景を勘案すれば、2.26事件等で新聞メディアの「言論の自由」が奪われた等の従来の考え方が、必ずしも正鵠を射たものではないことが分かります。満州事変から日中戦争迄、戦意高揚記事による国民世論の形成の背景には、「新聞」「軍部」「国民大衆の支持」等が複合的に絡み合っていたと言えるのではないでしょうか。付け加えるならば、上記の構図は当時の日本外交にも微妙な影響を与えてもおります。有名な例では昭和7年12月の全国132紙による国際連盟脱退を促す共同宣言等が挙げられるでしょう。

 次に、先に述べた当時の新聞メディアが、具体的にどの様な「戦争報道記事」によって銃後の戦意高揚に貢献したかについて、秦郁彦氏論文『いわゆる「百人斬り」事件の虚と実』から一部引用してご紹介いたします。
――――――――――――――――――――――――――――――――

日本大学法学会『政経研究』第四十二巻第一号収録 
秦郁彦氏論文「いわゆる「百人斬り」事件の虚と実(1)」
※溢れる戦場美談と武勇伝 P127〜引用

同じ時期(注:昭和12年当時)の他新聞を眺めても、似たり寄ったりの武勇伝や戦場・銃後の美談が溢れていた。
東京日日だけでも、「南京今や指呼の間」という硬派記事に並んで、桃太郎と名づけた「お猿を肩に進軍」する上等兵が「こいつにも南京入りをさせますよ」と頭をなでた話(12月3日付、常州にて鈴木特派員)とか「五十両で日本刀を求めた妻」(写真入り)へ「心をこめた日本刀をふりかぶり思う存分頑敵を切りまくっている」(12月6日付)という夫の近況を伝える美談が目につく。似たような話で「きっと取るぞ 支那兵の首、小泉君(一等兵)傷つく」(11月30日付東京朝日)を読んでみると、すでに登場した中年兵士の後日談らしく、病院から自宅への手紙で決意表明というあたりがさわりか。
12月8日の同盟電では「敵七十三を斬殺 微傷も負わぬ六勇士」(9日付京都日出新聞)という、もう少しで計百人斬りの武勇談が出ている。6人は全員が一等兵なので、日本刀ではなく銃剣で刺殺したようだが、味方は微傷も負わずというのが目玉になっていた。「支那兵廿名西瓜斬り 上海陣の“宮本武蔵”」(8月22日付東京朝日)と並んで、「百人斬り」報道の原型とも思える。
各新聞を見くらべて気づくのは、この種のエピソードは1社だけの特種にとどまり、他社が追っかける例がほとんど見当たらないことである。真偽定かならぬ他社の話題にうっかり飛びつけぬ警戒心も働いてのことだろうか。
百人斬りの武勇伝も同様で東日・大毎だけの「独占スクープ」に終始し、郷土の「京都日出新聞」でさえ、知らぬ顔で通した。どこの新聞も拡販方針の上から郷土部隊の奮戦記報道には力を入れていたが、全国一の部数をほこる東日・大毎も例外ではなかった。第四報までの反響に気をよくしたのか、少しおくれて昭和13年1月25日の大阪毎日鹿児島沖縄版は、「二百五十三人を斬り今度千人斬り発願 さすがの“波平”も無茶苦茶 野田部隊長から朗信」の見出しで、第五報とも言うべき後日談を掲載する。
野田部隊長(写真入り)とは、鹿児島県出身の野田毅少尉を指すが、悪乗りといってもよい荒唐無稽の悪文で、現地特派員の名は見当たらない。野田から郷里の友人にあてた手紙が下敷きらしいので、執筆者は九州か鹿児島支局の記者かと思われる。ともあれ、全文を次に紹介しよう。<以下、省略>

――――――――――――――――――――――――――――

 大阪毎日鹿児島沖縄版13年1月25日付記事は有名な記事ですので省略致しましたが、野田少尉の戦友である六車少尉の「百人斬日本刀切味の歌」もあります。秦氏は当該記事を「悪乗りといってもよい荒唐無稽の悪文」と評しておりますが、私自身は当該記事を読んだ感想として、中々良く出来た戦意高揚記事であると思います。


 但し、これらの記事が戦地で信じられていたかというと、必ずしもそうではなかったようで、当の六車氏や吉田太計司少尉(第二大隊歩兵砲小隊長)等にヒアリングした秦氏の調査によれば「様々な解釈は可能だが、どうやら前線では百人斬りはさしたる話題にならず、なっても新聞の誇大な武勇伝の一つとして軽く受け止められていたらしい。そして数年たつと、内外を問わず二人は有名人になってしまったが、勲章の対象となる武功でもないだけに、二人はどう対応したらよいかととまどった様子が窺える。話題を振られると、小心なところがあった向井は苦い顔で沈黙し、豪放奔放な野田は開き直って茶化すという正反対の対応に走った例が多そうだ。※」と見解を述べております。六車証言等を勘案した上での当該発言であり、私もこのあたりが最も妥当な解釈であると考えております。
※『政経研究』第42巻第4号P95より引用

 以上、当時の戦時報道の視点から「百人斬り」報道に言及いたしましたが、所謂「百人斬り」記事を単に「創作記事」或いは「真実」と短絡的に結論を出すのではなく、メディアを巡る時代状況の変化といった観点から、この問題に対してアプローチを試みるべきであると考えます。

<続く>
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[5780]Re(2):定義はしっかりと
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 とほほ E-MAIL  - 08/9/22(月) 23:09 -

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   ▼かず色さん:

>皆様異論もあるかと拝察しますが、私はこういった議論にはあまり意味を見出せませんので、私の見解は無視して下さい。
>当該問題の定義は複数存在すると考える立場です。

あのですね(^^;
定義を定めて、議論しないことには学術的な研究とは言えず、客観的評価足りりえないのです。定義を定め、その定義が果たして妥当か否かを議論し、その上で真理を導いていかねばなりません。

従って、勝手に自分で定義してそれを否定しても学術研究には値しない。のであり、かず色さんの見解は無価値なものとなってしまうわけです。かず色さんに自覚があるかないのかは知りませんが、あなたの主張は否定論なのです。否定論とは否定しているから否定論としているわけではありません、独特の否定するための論理構成を持つ論を否定論と呼んでまして、それは紛れもなく歴史修正主義を支えるロジックです。

それはあなたの主観に過ぎず客観的見解とはいえないわけですね。論理を闘わせ真理を導こうとするのが科学です。かず色さんのように相手の反論や指摘に答えずに自己主張をすることは、ただの宣伝です。違いますか?

本来、当掲示板ではそのような否定論の宣伝投稿を禁じているのです。
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[5781]Re(3):定義はしっかりと
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 かず色 E-MAIL  - 08/9/23(火) 0:07 -

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   ▼とほほさん:

>本来、当掲示板ではそのような否定論の宣伝投稿を禁じているのです。

 了解しました。複数の議論参加者から、私自身の「具体的な」見解を披瀝する様要望がありましたので、先述の書込みをさせて頂いた次第です。続きを書く予定でしたが取止め致しましょう。

 定義については他意は全くありません。そもそもこの様な批判は覚悟しておりましたので、回答するにあたって「個人的見解ですね」と再確認をし、自分の考えを極力排除して複数の「定義」と現在の当該議論の推移状況等を総合的に勘案し、回答したつもりです。ご理解賜りたく。
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[5782]Re(8):百人斬りアンケート
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 トロープ  - 08/9/23(火) 0:58 -

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   ▼かず色さん:
> これら複合的要因が複雑に絡み合い、「百人斬り」といったストーリーが形成されていったのではないか、と考えます。但し、残念ながら当該事件に関する議論に接する限り、その多くは「百人斬りはでっち上げである。記者の創作記事だ」「両少尉は百人を斬ったと言っている。記者は創作記事とはいっていない。百人斬りは間違いない事実だ」といった議論が中心であり、私の見解は少数派であるのも事実ではあります。

 真剣に気になるのですが、「両少尉は百人を斬ったと言っている。記者は創作記事とはいっていない。百人斬りは間違いない事実だ」と主張している人物は実在するのでしょうか? かず色さんの書き方では「大虐殺派」が新聞記事そのままの「百人斬り」を肯定しているように読めるのですが、「大虐殺派」とされる中でそのような主張をされている方に心当たりがありません。

 たとえば、かず色さんが投稿された記事からですが、「戦闘中の武勇伝としては作り話であろう。無抵抗の捕虜を斬ったものとして考えられる」(故藤原彰教授)という説があります。おそらく藤原彰氏はかず色さんのおっしゃる「大虐殺派」の側になるでしょうが、この説を「両少尉は百人を斬ったと言っている。記者は創作記事とはいっていない。百人斬りは間違いない事実だ」と変換するのは無理があります。「大虐殺派」は基本的に藤原氏と同意見であり、かず色さんのおっしゃるような議論は行なっていないと思うのですけど。

 というわけで、これに関してはきちんと「そう言っている人の実例」を挙げていただきたいです。でなければ「大虐殺派」は言ってもいないことで非難されていることになります(あるいは、かず色さんが存在しないものを非難していることになります)。ここで確認しておかないと延々と不毛な議論が続くのではないかと危惧しますので、ぜひともお願いします。
504 hits

[5783]Re(9):百人斬りアンケート
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 かず色 E-MAIL  - 08/9/23(火) 7:09 -

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   ▼トロープさん:

 中国政府は一貫して両少尉が南京攻略戦の過程で「百人斬り」競争を実行し、各人が100名以上の中国人を斬殺したと主張しております。これは、南京軍事法廷の判決等の基づく公式見解でもあり、中国側研究者の主張も概ね同様であります。

 日本国内の所謂「大虐殺派」に属する見解についても、昭和46年の朝日新聞報道以降の論争の過程で、中国側見解を概ね支持する立場を堅持しております。また、個人的に所謂「大虐殺派」論客と何度か意見交換をしたことがありますが、私の知る限り、百人以上の斬殺事実を明確に否定した方はおられません。

 逆にお尋ねします。中国政府並びに中国人研究者は「百人斬殺」事実に態度を留保しておりますか?熊猫さん等、当該問題の肯定論者の主張は概ね「百人以上斬殺事実」を肯定しておられませんか?故藤原彰教授や本多記者は「百人以上斬殺事実」に明確に疑義を示しておられますか?
497 hits

[5784]Re(9):百人斬りアンケート
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 かず色 E-MAIL  - 08/9/23(火) 8:34 -

引用なし
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   ▼トロープさん:


南京軍事法廷に於ける事実認定に於いて、同法廷は次の結論を述べております。

「計画的屠殺を以て鬱憤を晴らさんとし田中軍吉は京城西南郊外一帯に於いて宝刀「助広」を使用して俘虜及非戦闘員計三百余名を連続的に斬殺したり。向井敏明及野田巌は紫金山麓に於て殺人の多寡を以て娯楽として競争し各々刺刀を以て老幼を問わず人を見れば之を斬殺し其の結果野田は百五名向井は百六名を斬殺し勝を制せり」

少なくとも中華人民共和国政府並びに同国研究者は、この判決書に於ける「事実認定」の見解を現在も支持しております。
因みに、私の20年来の中国人の友人(在北京・弁護士事務所パートナー)も同一見解であることを付言しておきます。

勿論、昭和史研究等で私の尊敬する吉田裕教授などは、「百人斬り」に於ける被斬殺数100名以上には疑義を呈しておりますが、残念ながら明確に之を否定している訳ではありません。
笠原十九司教授についても、近著『「百人斬り競争」と南京事件』に於いて、「百人斬り」は可能かについて厳密な検証を行っていることから鑑み、100人以上斬殺説を否定し得ない立場であることがわかります。

図書館で調査すれば、所謂「大虐殺派」による「百人以上斬殺」の明確な主張を検索できるかもしれませんね。また、機会があれば調べてみましょう。

それでは、先述の私の質問に回答して下さい。
496 hits

[5785]Re(10):百人斬りアンケート
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 とほほ E-MAIL  - 08/9/23(火) 9:06 -

引用なし
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   ▼かず色さん:
>南京軍事法廷に於ける事実認定に於いて、同法廷は次の結論を述べております。

論理矛盾なのですよ。かず色さん。
その時その時で自分に都合の良い、定義を持ち出しては言い逃れています。では東京裁判の20万人以上の虐殺や南京軍事裁判の30万人以上の虐殺と言った内容をそのまま主張している学者がいるのでしょうか?中国側研究者はそう主張している、とおっしゃいますが、そもそも中国側にとっては戦争そのものが侵略戦争であり、戦争犯罪です。

また日本側研究者の学術的結論も30万人を決して否定はしていないのです。

そうした、中国側主張を30万人ではない、百人斬り競争は嘘だ、と主張することには意味が無いのです。これは政治的・社会倫理的な論争です。

あなたがおっしゃったのはこうしたロジックから離れて純粋に学術的に検討する必要がある、です。ですから、学術的な論争をしているのです。そうしてあなたの矛盾を突けば、関係ない裁判や政治のロジックを持ち出してくるのです。

いつ、中国と日本の間で百人斬り競争問題が外交問題として争点となったのでしょうか?南京虐殺問題が争点となったのでしょうか?
学術的には全くお話にならない、否定論を持ち出して百人斬りの問題が先鋭化していると主張したのはあなたでありこの問題が争点となっていると主張しているのもあなたです。そもそもが「小虐殺派」だの「大虐殺派」だのの分類自体が否定論者のロジックに乗せられているのであり、学術的研究にそうした諸説があるような印象操作をするための分類です。

学術的にはそうした分類は成立しません。しかしこの分類を持ち出している以上、あなたが言及した大虐殺派は国内の研究者の中にいるのです。

百人斬りの事実についても、歴史学的に事実認定されているのは「南京軍事法廷で事実認定された」と言う事実が認定されている、と言うことです。その後の諸証言がそれを裏付けている、と言うことです。
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