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かず色さんには何か所かでレスをいただいていますが、こちらでまとめてレスさせていただきます。
(5811) >日中戦争に於ける民間人殺害に関する、朝枝繁春証言をご紹介いたします。
入手しました。なかなか面白そうな本ですので、じっくりと読んでみたいと思います。田中隆吉にも興味を持ちましたので、「田中隆吉尋問調書」を合わせて入手しました。
これまでどうも、田中というのは怪しげな人物である、というイメージがあったのですが、張作霖爆殺事件に関する証言など、なかなか正確です。
「南京」については、「裁かれた歴史」で、長勇の大言壮語をそのまま紹介した有名な文がありますね。さすがにこれは・・・と思っていたのですが、「尋問調書」の方は、結構まともです。
田中は、陸軍省兵務課長として、「中島師団長が蒋介石の住居から大量の珍宝を持ち帰るという事件」の調査を行っていたということです。
>支那の財宝を持ち帰った中島は、日本国民一般からの厳しい批判にさらされ、そういうわけで、私は、その財宝を陸軍将校クラブに寄贈しましたが、そののち、それらはすべて蒋介石のもとに返還させました。(P150)
>問 彼が中国から持ち帰り、あなたに疑惑をいだかせた品物とは、どのようなものでしたか。 答 掛け軸、絨毯、家具、骨董品、絵画、美術品です。 問 それらは、きわめて高価な美術品でしたか。 答 そうだと思います。(P256)
残念ながら、「燼滅作戦」についての記述はありませんでした。
(5816) >朝枝についてですが、その後、昭和17年に辻政信とシンガポールに於いて有名な「華僑粛清」を強行しますね。約5千人程度が証拠不十分のまま虐殺されますが、この事件は南京陥落後の所謂便衣兵摘発・処断行為と、かなりの共通点があるように考えます。
私は「シンガポール華僑粛清」を知った時、南京における「敗残兵狩り」のフラッシュバックのような事件だな、という感想を持ちました。「南京事件」をちゃんと「表」に出して、しっかり「反省」をやっていれば、こんな事件は起きなかったのではないか。
ネットには「正当化論」が存在します。そのうち、しっかりと取り組んでみるのも面白いかもしれません。
(5822) >軍事史学会編『日中戦争再論』(錦正社刊)に収録されている幡新大実氏の論文『「戦陣訓」と日中戦争』に、日中戦争初期に於ける日本軍将兵の不法行為に関する興味深い記述があります。
この本を所持していながら、まったく気がついていませんでした。
「軍事史学会」は、どちらかといえば「保守派」の系統なのでしょうが、研究手法は実証的・堅実であり、皮肉なことに、近年の「自由主義史観」なるものに対する防波堤になっているように感じます。
(5822) 小林よしのり氏の作品で既読は『東大一直線』のみですが、ラーベ批判もしているのですか・・・・・・・
というか、たぶんネットのラーベ批判のネタ元は、大半がこの本でしょう。
mixiでも、明らかに「まる写し」の議論を見かけました。「ラーベが武器商人であったという具体的な資料を出せ」の一言で、あっさりと沈黙してしまったようですが・・・。
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