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「この仕事は南京市自治委員会が自発的に実行したいという建前で行われたものです。しかしその自治委員会はこのような大きい作業を行うだけの実働的なスタッフを持ち合わせておらず、どうしても外部の団体に作業を委託しなければなりませんでした。 そこで紅卍字会に着目して、その内部を調査した結果、紅卍字会は陳漢森という立派な指導者に率いられた能動的な社会慈善事業団体であることが判明しました。そこで、この作業を紅卍字会に一括して委任することになった訳です。 後になって、崇善堂その他の弱小団体からも作業の申し込みが自治委員会にありましたが、そのことは紅卍字会に任せてあるから紅卍字会の方に言って欲しいと伝えて、自治委員会では受け付けなかった訳です。 紅卍字会の下請けとして彼らが作業に従事したであろうことは考えられますが、そうであったとしても、その埋葬作業量は一括して紅卍字会の作業量に組み込まれていたはずです」 日本軍の依頼で埋葬活動を行ったのは、世界紅卍字会南京分会です。その指導者は陳漢森ではなく、陶錫三です。そもそも陳漢森は世界紅卍字会下関分会です。 また下関分会の埋葬記録は存在しません。強いて埋葬記録があったとするならば、魚雷営での2508体の埋葬となるでしょうが、世界紅卍字会下関分会が埋葬したという根拠はありません。
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