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[4749]中公新書 秦郁彦「南京事件」増補版 秋時雨 07/7/26(木) 22:51
[4750]Re(1):中公新書 秦郁彦「南京事件」増補版 熊猫 07/7/27(金) 13:11
[4751]Re(2):中公新書 秦郁彦「南京事件」増補版 とほほ 07/7/27(金) 14:37
[4754]Re(1):中公新書 秦郁彦「南京事件」増補版 タラリ 07/7/28(土) 21:19

[4749]中公新書 秦郁彦「南京事件」...
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 秋時雨  - 07/7/26(木) 22:51 -

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   概説書として有名な秦郁彦「南京事件」の増補版を購入しました。

事件論争史を主旨として旧版の秦推計の内容を微修正したもの等を含め凡そ80ページもの増量ですが、通読したところ粗がかなり見受けられます。

結論的には被害総数は
「この20年、事情変更をもたらすような新史料は出現せず今後もなさそうと見極めがついたので、あらためて4万の概数は最高限であること、実数はそれをかなり下回ることを付言しておきたい。」p317

とこれまでの著者の主張から後退したようです。

その他、幕府山の捕虜殺害については小野賢二資料集の成果も踏まえてありますが結論は両角手記を前提に8千人、計画的か偶発的かは判断できないという結果に落ち着いています。

論争史の記述については印象操作もかなりありそうです。内容についてはこれから気づいたところを掘り下げていきますが、少しの参考にでもなるかと考えて投稿しました。
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[4750]Re(1):中公新書 秦郁彦「南京...
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 熊猫 E-MAIL  - 07/7/27(金) 13:11 -

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   この20年、事情変更をもたらすような新史料は出現せず今後もなさそうと見極めがついたので、あらためて4万の概数は最高限であること、実数はそれをかなり下回ることを付言しておきたい。

 歴史研究家が史実の規模を推定することは当然のことであり悪いことではありません。しかし南京事件当時の戦闘詳報などは、その殆どが未だに見つかっておらず最低限の記載は可能ですが最高限という記載はありえません。
 そもそも「新史料は出現せず今後もなさそうと見極めがついた」などと戯言をほざいた時点で、秦郁彦氏の歴史家としての資質が問われています。資料の発掘に見切りをつけた時点で歴史研究家として失格である。
 南京での海軍の行動なんかは、殆どが知られていないのが実情で諦めることなくコツコツと地道に調査を続けていくのが歴史家としての姿勢ではないでしょうか。
 まあ、小学生でも知っているような幼稚な歴史認識すらできていない可哀想なところもありますが、私は秦郁彦氏の功績は認めており尊敬しています。

http://t-t-japan.com/bbs2/c-board.cgi?cmd=one;no=3047;id=sikousakugo#3047
 『南京之城門』という幼稚園児のお遊戯があります。秦先生がそれを知っていたら間違わなかったと思うのですが非常に残念です。「南京之城門蘇州之橋」といえば非常に有名なのですが、秦郁彦氏は中国音痴なところがあるので著書を読む際には注意が必要です。
 旧書の間違いは訂正されているでしょうか?
136 hits

[4751]Re(2):中公新書 秦郁彦「南京...
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 とほほ E-MAIL  - 07/7/27(金) 14:37 -

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   ▼熊猫さん:
> そもそも「新史料は出現せず今後もなさそうと見極めがついた」などと戯言をほざいた時点で、秦郁彦氏の歴史家としての資質が問われています。資料の発掘に見切りをつけた時点で歴史研究家として失格である。


いや、まったくです。
秦さんが、この事件の論争の表舞台へ登場して30年くらいですかね?初期の出版の南京事件でも、実は同じ事を言っておりまして(^^;
これ以上は「わからない、わかりえるはずがない」と言う主張を繰り返していたのですが、わからない事、は真実ではあっても、だからこうだ、と言う論理展開には初期のころから矛盾がありました、わからないのであれば「30万人かもしれない、50万人かもしれない、しかし、今となってはわからない」とすべきだったのです。

しかも、いつから「秦論」の4万人は最大値になったのでしょうか?秦論の4万人は最低値です。
132 hits

[4754]Re(1):中公新書 秦郁彦「南京...
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 タラリ E-MAIL  - 07/7/28(土) 21:19 -

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   ▼秋時雨さん:
>概説書として有名な秦郁彦「南京事件」の増補版を購入しました。

どうも、タラリです。昨日買ってきました。

増補分は「南京論争史」となっており、「中間派」と称して「左右」を超越したかのような書き方は相変わらずです。新しい論点が出てきたとして北村稔の「探求」などを紹介するのですが、最初の内こそ「・・という見方もある」という客観解説風から始まるのですが、中盤からは「さすがに上海の日本領事館はティンパリーが要注意と気づいて」などと某略説に巻き込まれていきます。

#ティンパリーが謀略をした、という説は記事の内容が主にベイツが書いているのですから、ティンパリーの謀略ではありえません。猿でもわかるこの非論理にコロリといかれてしまうとは情けない歴史学者です。


東中野の「写真検証」を「学会(注:「南京」学会のこと)の企画のなかではもっとも有意義なプロジェクトだった」というのには呆れます。それにしても、「プロパガンダ写真をつくる大がかりな撮影工作が始まった」という事実があるのだろうか。実証歴史学者としては失格です。


>結論的には被害総数は
>「この20年、事情変更をもたらすような新史料は出現せず今後もなさそうと見極めがついたので、あらためて4万の概数は最高限であること、実数はそれをかなり下回ることを付言しておきたい。」p317

秦郁彦氏の史料捜索能力には感心させられます。笠原『南京事件』と較べて3−4倍史料が詰まっていますから、これまでずいぶんとお世話になったことは確かです。笠原『南京事件』では実のところ、このステートメントの根拠は何かと探しても根拠が見当たらない部分がときにあるのです。

彼がそういうのですから、確かに一変させるほどの史料が今後出ることは期待薄でしょう。

問題は史料から史実を再現する過程でしょう。史料そのものについての知識は該博ですが、被害人数については「不法殺害」の「割引」(!)を何の根拠もなくかけあわせて実数を少なめに見積もっているのが問題であった。

被害人数の探求は確かに重要です。しかしながら、秦氏いうところの「大虐殺派」の焦点は実際の被害者の心の傷に向かっていることは完全にスルーされています。秦氏の面目は東京裁判までの資料では明らかにされていなかった、日本側の資料、特に軍関係の資料の収集や聞き取りを丹念にしたことにあります。これらはいわゆるマクロの視点であり、被害者の心情から南京事件の意味を問い直すという重要な発展は彼にとってはいわば無に等しいようです。大虐殺の意味を問うには、中国人被害者の証言と直接加害者である、日本軍兵士の証言が重要です。

彼は以前、将校クラスでは加害事実を隠蔽する傾向があるとして、阿羅健一が「兵士の聞き取りをするとキリがないから、将校だけに聞き取りをした」という手法を「仰天」したと批判したことがあります。

ところが、今回も日本軍兵士の資料・証言である、小野氏の著作『南京大虐殺を記録した皇軍兵士たち』や松岡環氏の『南京戦 閉ざされた記憶を尋ねて』や、中国人被害者の証言についてはどうやら、歴史の範囲外と考えたようです。特に松岡環氏をあれは左翼の聞き取りだ、と一顧だにしなかったのは仰天しました。幕府山事件の殺害者が8000人というのは『南京戦史』の編集者すら、戦後になって書かれた「手記」であって他に支持する文献がない限り、鵜呑みにはできないとう両角手記を鵜呑みにした数字であって、慨嘆に堪えない。

『百人斬り事件』については当初、際物的な事件と見られていたものが、裁判によって事件の確実性と背景が浮き彫りになっており、数的に見て南京大虐殺の重要殺害事件ではないものの、日本軍の残虐性とそれに対して自覚的でなく、南京大虐殺を準備した精神的背景をよく説明する事件であったことを示したと私は思っているのですが、彼自身、有力な据えもの斬りの傍証を発掘していながら、事件には一切言及しないというのも妙な話です。

全体として広く、資料を渉猟していて、満遍なく論点を抽出しているのはさすがです。しかし、問題意識が87年当時より後退をしているのは明らかです。文献の目録は参考にはなります。熊猫さんは致命などディープなプロ市民でないとわからないミスを指摘されていますが、文献の目録にはサルでもわかるミスがありました。佐藤振寿氏の所属が「朝日新聞」となっていました。単純ミスなのか、それとも百人斬りのような「極悪」な記事を出すのは「朝日」に決まっているという思いこみでもあったのでしょうか(笑)。

細かく見るといくらでも言いたいことがあるのですが、今日はここまで。
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