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12月8日(金)、夏淑琴さん名誉毀損訴訟の第3回の口頭弁論がありました。その報告です。
開廷は午後1時10分なのですが、「史実を守る会」では支援のビラまき宣伝を午前11時30分から行うことになっていました。 このため私もその時間に(ちょっと遅れて)裁判所前へ行ったのですが、するとまたまた西村修平らが来て大音響で宣伝をやっています。今度は「シナ人のシナ人によるシナ人のための歴史偽造・史上最大の大嘘・南京大虐殺」と書かれた横断幕を掲げています。しかも「シナ人の犬・反日・破壊・極左『南京への道・史実を歪める会』」「南京大虐殺は私達の嘘でした『シナ・中共への道・史実を偽る会』」などと明らかに「史実を守る会」を誹謗するプラカードまで掲げています。 ちなみに彼らは、夏淑琴さん本人が来日し意見陳述した、6月30日の第1回口頭弁論期日の時は、「指名手配シナ人・夏淑琴に神罸 罪状 大嘘吐き」「シナ・中共の売女・夏淑琴に天罸を」などと戦争犯罪の被害者・夏淑琴さんを誹謗するプラカードを掲げていました。 ↓これが、その時の写真です。 http://himadesu.up.seesaa.net/image/nisimura.jpg
しかし相変わらず、50〜60歳代の中高年の男性ばかりで、顔ぶれも決まっています。若者はいないのでしょうか? 人数は約10人です。朝日新聞社の『論座』に「草の根右翼」と紹介された彼らですが、実態はほんの一握りの少グループに過ぎず、それが毎回動員されてやって来るようです。しかも、あちこちで同じような騒ぎを起こしているのですから、一般市民とは明らかに異なる、職業的な右翼活動家たちなのでしょう。 これに対し、こちらのビラまき宣伝に参加したのは学生を中心とした約30人の若者です。日本の戦争責任を真面目に考え、侵略戦争の被害者を支援しようと自発的意思で集まった人ばかりです。
この対照的な集団が、東京地裁の正門前で左右に分かれて宣伝を始めることになりました。私たちは道行く人に笑顔でビラを配布していたのに対し、西村修平らは異様なプラカードを掲げ、大音響で下品に叫んでいました。通行人は彼らには目をそむけ、こわごわと通りすぎていきます。 西村修平らはしだいに興奮してきて、こちらに暴力までふるってきました。こちらの学生が、向こうのメンバーに蹴られたりもしました。(実は、9月22日の第2回口頭弁論期日の際の宣伝でも、こちらのメンバーが連中に蹴られて負傷しているのです。) 幸いにも、警察官が駆けつけたため、西村修平らもそれ以上の暴力はふるいませんでしたが、警察が来なかったら、どうなっていたか分かりません。何しろ、松井やよりさんの講演会で暴力をふるい有罪判決まで受けている連中です。自分たちは「愛国者」なのだから、一般市民に暴力をふるい怪我をさせても構わないとでも考えているのでしょうか。
なお、西村修平が大音響で叫んでいた内容を抜粋します。
「日本軍が安全区の難民のための食糧を提供したので、委員長のラーベが感謝状を送った」
「住民は全て安全区で保護され、その外部は完全に無人だった(だから新路口事件などウソだ!)」
「通州事件では中国人が日本人を虐殺した」
「日本はアジアを独立させた!」
いずれも破綻済みの否定論なのですが、彼らはこれらを繰り返し叫べば、南京大虐殺の史実を否定できると考えているようです。 さらに向こうのメンバーの一人は、こちらに向かって「お前らなんか死んじまえ」とスピーカーで絶叫していました。
こんな調子だったので、通行人の一人も私に「どう見ても、あなたがたの方が筋が通っているのにねえ」と言っておりました。
さて、それで一番肝心の口頭弁論ですが、東中野と展転社の側は全く元気がありません。外で西村修平らがあんな大音響で絶叫しているのに、どうしたことでしょう。 支援者の西村修平らが「夏淑琴はシナ・中共の売女」「夏淑琴は大嘘吐き」と叫んでいるのですから、法廷でも東中野と展転社は同様の主張をするのかと思いきや、全くそうではありません。 例えば、平成18年6月20日付けの東中野と展転社の反訴答弁書の記載はこうです。↓
本件書籍は「『八歳の少女』と夏淑琴は別人と判断される」(247〜248ページ)と述べ、仮に両名が同一人であり当時の事実を覚えているのであれば「八歳の少女(夏淑琴)は事実を語るべきである。」(248ページ)と述べたのであって、「反訴原告が故意に虚偽の事実を語っている」と述べているのではない。 どうやら東中野や展転社は、西村修平らと異なり、「夏淑琴は大嘘吐き」だとは考えていないようです。 「夏淑琴はシナ・中共の売女」というような主張も、東中野と展転社の側が提出の書面のどこにもありません。法廷でもそんなことは一言も言いません。いったい、どうなっているのでしょうか?
そんなわけで、この訴訟、早期に終局判決になりそうです。 次回口頭弁論期日は、年明けて、1月19日(金)午後1時10分からです。開廷30分ほど前に傍聴券の抽選が行なわれる見込みです。
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