独立攻城重砲兵第二大隊の捕らえた捕虜は何人でしょう。提示した写真には「馬群ニ集結セル約一万二千人ノ捕虜」とキャンプションがあります。写真を見る限り軍衣を着用しています。日付が１２月１５日となっているところが気になります。

『南京大虐殺の証明』洞富雄（朝日新聞社）298ｐ〜299p

　中隊主力は１２日、仙鶴門鎮北方約二キロの墓地に陣地進入して放列を敷きましたが、その横の道路を佐々木支隊が前進して行くのを目撃しました。私は観測隊長として、墓地北々西約一キロ、高さ約五〇メートルの揚山に観測所を設け、観測任務につきました。･････〔１４日〕午前８時ごろ、衛兵所に行ってみると、驚くなかれ、揚山に向かって西方から続々と敵の大部隊が登ってきます。中隊長に報告すると、中隊長は”友軍ではないか”と疑ったほどでした。･････われわれは墓地を利用して、接近する一部の敵と相対しました。やがて友軍増援部隊が到達し、敵は力尽き、白旗を揚げて正午頃投降してきました。その行動は極めて整然としたもので、既に戦意は全くなく、取りあえず道路の下の田圃に集結させて、武装解除しました。多くの敵兵は胸に「首都防衛決死隊」の布片を縫いつけていました。俘虜の数は約一万（戦場のことですから、正確に数えておりませんが、約八千以上おったと記憶します）でしたが、早速、軍司令部に報告したところ、”直ちに銃殺せよ”と言ってきたので拒否しましたら、”では中山門まで連れて来い”と命令されました。”それも不可能”と断ったら、やっと、”歩兵四こ中隊を増援するから、一緒に中山門まで来い”と言うことになり、私も中山門近くまで同行しました。･････仙鶴門鎮には集成騎兵隊（三コ師団の騎兵隊を集めた）が居り、戦闘の主役はこの集成騎兵隊で前哨中隊長は陸士４５期前後の方だったと思います。また、この投降俘虜を引き渡した歩兵部隊名は思い出せませんが、麒麟門付近に待機していた軍か師団の予備隊（歩兵第三十八連隊第十中隊か----洞富雄注）から派遣されたものと思います。

『“南京虐殺”の虚構』田中正明（日本教文社）194p

　沢田氏はその数九，〇〇〇ぐらいといっているが、正確には、その半数の四，〇〇〇余名で和平門から城内の警備隊に引渡されている。

　独立攻城重砲兵 第二大隊 第一中隊に沢田正久中尉はいたのでしょうか。
熊猫の手許にある「住所録」（第二大隊の兵士の名簿）には、沢田正久という名前は記載されていません。「澤田正夫」という名前ならありまが、全くの別人ではないかと思います。
　写真右側の、梶浦俊彦氏の部下なのでしょうが、仮名を使ったようです。庄野鴎一（熊猫注：「証言による南京戦史（５）」では庄野欧一となっています）少尉などの名前は「住所録」に記載されていますが、沢田正久の名前が無いのは不自然です。
　49期の名簿を調べて沢田正久の名前が無ければ仮名ということになります。