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<強制連行訴訟>中国人45人の賠償請求棄却 福岡地裁
第二次世界大戦中に強制連行され、炭鉱で過酷な労働を強いられたとして、中国人45人が国と三井鉱山、三菱マテリアル(旧三菱鉱業)に10億3500万円の損害賠償と謝罪を求めた中国人強制連行福岡第2陣訴訟の判決が29日、福岡地裁であった。須田啓之裁判長は強制連行を不法行為と認定したが、旧憲法下の国の不法行為について賠償請求はできないとする「国家無答責の法理」と、不法行為から20年が過ぎると賠償請求権が消滅する除斥期間を適用し原告の請求を棄却した。 原告側は控訴する方針。 判決は、強制連行への国の関与について「国策としての中国人労働者移入政策に基づき、暴力などを用いて日本に連行し、労働現場を監視するなど強制労働に加担した」と指摘。企業についても「強制連行と知りつつ、原告らの引き渡しを受けて強制労働させた」として不法行為と認定した。 そのうえで「強制連行は、当時の国策で公権力の行使だったが、国家賠償法施行(1947年)前の公権力の行使については『国家無答責の法理』が適用される」として国の不法行為責任を否定した。さらに、不法行為の起算点を加害行為の終了時である45年8月末として、企業への損害賠償請求権は除斥期間が経過した65年8月末に消滅したと結論付けた。 【木下武】 (毎日新聞)
- 3月29日13時5分更新
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