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しばらく前にある女性と話をする機会がありました。特に何の話ということもない雑談だったのですが、たまたま高校生になる息子さんの話になったときに、その息子さんが南京大虐殺のことを話題にしたという話になりました。
息子さんは、当時の南京の人口は２０万人だから３０万人もの人が殺されることなどありえないという話をしたそうですが、彼女は別にその話の真偽には無関心なようで、自分の息子がそのような、つまり身の回りのことやテレビの番組のこととは違う話題を口にしたことを以って、うちの息子も、少し大げさに言えば社会に目を開かれた、大人になったと、ある種の感慨を持って話してくれているようでした。
その話を聞いて、今の中学生なり高校生が育ってゆく環境は、私などの時代とはまったく違うのだと、改めて思いました。
本屋さんへ行くと、南京大虐殺否定論の類の本が平積みになって大量に並んでいます。大きな本屋さんなら、まともな肯定論の本も並んでいますが、街の小さな本屋さんでは、手を変え品を変えて出版される否定論の新刊だけが山積みになっているのが普通になってしまいました。
高校生ぐらいになれば、歴史に関心を持つ人も少なくないでしょうが、教科書以外に最初に接する本が、たちの悪い修正主義ということも大いにあり得る時代です。
それなりの知識も歴史観もない若い人であれば、名の知れた出版社から立派な装丁で出ている本が、実は嘘と詭弁に塗り固められたでたらめな本だとは思いもよらないでしょうから、なるほどと納得してしまって、たまたま肯定論に目を通す機会があったとしても、やっぱりこのように議論の分かれる問題なのだと理解するだけかもしれません。
そうやっていろいろ考えてみると、ひと昔前まではこれほどはひどくなかった、状況は悪くなるばかりだと思ってしまいます。この掲示板などでがんばっている人の努力に水を差すつもりはないのですが、これからはもっと悪くなるのではないか、月並みな言い方ですが本当にこの国はどうなってしまうのだろうかと憂鬱になるのです。
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- 05/4/14(木) 6:05 - 
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