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[514]「盧溝橋事件」中国共産党陰謀説  「周恩来」の演説 ゆう 05/6/17(金) 17:02
[515]Re(1):「盧溝橋事件」中国共産党陰謀説  「周恩来」の演説 あっちゃん 05/6/18(土) 0:44
[516]たぶん、「動向」違いだと思います ゆう 05/6/18(土) 2:34
[517]Re(1):たぶん、「動向」違いだと思います あっちゃん 05/6/18(土) 7:18

[514]「盧溝橋事件」中国共産党陰謀...
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 ゆう E-MAILWEB  - 05/6/17(金) 17:02 -

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   コンテンツ「盧溝橋事件 中国共産党陰謀説」をアップしてはや9か月。それなりにネットの議論に影響を与えているのではないかと、ひそかに自負しております(^^)

http://www.geocities.jp/yu77799/rokoukyou/inbou1.html


さて、私はこのコンテンツで、「陰謀説」のエッセンスはほとんど取り上げたつもりだったのですが、春先ごろから、各掲示板にこんな投稿が目につくようになりました。

>1949年10月1日、「中華人民共和国」成立の日に周恩来首相が、「あの時(廬溝橋事件の際)、我々の軍隊が、日本軍・国民党軍双方に、発砲し、日中両軍の相互不信を煽って停戦協定を妨害し、共産党に今日の栄光をもたらしたのだ」と発言している。


出典もはっきりしない、怪しげな文章です。少なくともこれは、アカデミズムの世界の「陰謀説論争」で見かけることはありません。

いろいろと検索してみたら、どうやらその元は、「動向」という雑誌に載った、山内一正という方の、『「唐決」を嗤って過ごせるか』なる一文らしい。しかしそれにしても、「周恩来演説」の元文はどこで確認できるのか。これだけではさっぱりわかりません。


まずは、「動向」なる雑誌を確認してみました。関連部分を引用します。

>中共政権が支那本土を掌握したとき(一九四九年十月一日中華人民共和国成立宣言の際)、周恩来は誇らしげに言った。「あのとき(支那事変勃発当時)我々の軍隊が日本軍と中国国民党軍の両方に(夜闇にまぎれて)鉄砲を射ち込み、日華両軍の相互不信を煽って停戦協定成立を妨げたのが、我々(中国共産党)に今日の栄光を齎した起因である。
(「動向」平成6年5月 第1539号 P25)

なんと、ネットでの引用文、そのまんまでした。具体的な出典もなければ、カッコ内のどこまでが筆者の解説なのかもよくわからない。私だったら絶対にやらない(^^)、アバウトな引用です。


試しに、「選集」やら「伝記」やら、およそ「周恩来」の名がつく本のうちそれらしきものを片っ端から当たってみたのですが、この文章、一向に発見できません。当時の朝日新聞も見てみましたが、とても「周恩来演説」までは出てこない。


辛うじて、梨本祐平氏の著作「周恩来」で、周恩来がこの日になんらかの「演説」を行った事実だけは確認することができました。

>(毛沢東主席就任宣言のあと)このあと、周恩来が起って、共同綱領第五六条の、
「中華人民共和国の中央人民政府は、国民党反動分子と関係を絶ち、中華人民共和国に対し、友好的態度をとる外国政府と、平等互恵および相互の領土と、主権に対する尊重の基礎の上に交渉し、外交関係を結ぶことができる」
とあるのにもとづいて、新政府の外交方針を、次のように宣言した。

>「中華人民政府は、中国人民の総意によって選ばれ、中国人民を代表し得る唯一の政府であり、残存反動勢力の仮政府によって、国際連合に派遣されている代表は、中国人民を代表する資格がない。これは中国人民が、国の主人として、全世界に向ってなす厳粛なる宣言である。これが根本的変化を遂げた、中国の政治情勢の実際条件に、完全に合致し、全国における人民の共通の意思と希望とを反映するものである。アメリカ帝国主義の走狗たる国民党の反動分子は、この国民的裏切り、内戦および独裁の政策の故に、全国を通じて、人民から打ち棄てられた。
(同書 P134)


あれだけの紹介では、これ以上調べようがありません。当時の「人民日報」でも調べれば、ひょっとすると該当箇所が発見できるのかもしれませんが、中国語が読めない私には、ここまでが限界です。

いずれにしても、この演説がもし事実であるならば、「陰謀」論者たちが放っておくはずがない、という気はしますが・・・。


まあもっとも、もし周恩来がこの通りの演説を行っていたとしても、これは明らかに「史実」と異なる、怪しげなものです。

>あのとき我々の軍隊が日本軍と中国国民党軍の両方に鉄砲を射ち込み・・・


どのタイミングのことを言っているのかよくわかりませんが、仮にこれが例の「第一発」のことだとすれば、「中国軍への銃撃」なんてもの存在しませんから、「両方に鉄砲を射ち込み」というのはおかしいですね。

なお参考までに、当時の「日本軍陣地」と「中国軍陣地」の距離を考えるならば、その間に第三者が存在して銃撃を行うということはまずありえないというのが、今日の定説になっていると思います。


寺平氏らが言う「精華大学生の工作」のこと、という可能性もありますが、これまたおかしい。寺平氏らの証言に従えば、「精華大学生」は、「爆竹を鳴らし」ただけでした。「発砲」などを行った、という記録は、日中双方、どこにも、存在しません。


以上まとめると、「周恩来演説」は、

1.この演説の存在自体、確認困難な怪しげなものである。また、アカデミズムの世界の「陰謀論者」たちが、これに触れないのも不自然。

2.もし仮にこの通りの「演説」が存在したとしても、明らかに史実と異なるもので、信頼に価しない。「中国共産党の怪しげな自慢話」程度に捉えておくのが無難。

ということになりそうです。
24 hits

[515]Re(1):「盧溝橋事件」中国共産...
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 あっちゃん  - 05/6/18(土) 0:44 -

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   ▼ゆうさん:

どうも、初めまして。周恩来演説の件で、「動向」という雑誌にそれが出ていたとのことですが、この雑誌は以前大学の図書館にあったので何回か読んだ事があるのですが、香港で発行されている有名な雑誌で(月刊誌)内容は、中国の政治関係についてが大半なのですが、天安門事件の再考や中国の民主化を掲げる徹底した反中共親台湾雑誌で、政権中枢についてのゴシック的記事が載ったり、SARSの際にも中国政府の隠蔽を暴露したりしていたようです。姉妹紙にも争鳴という雑誌があり、こちらも同じような内容です。それを考えると、ゆうさんが紹介されたような記事が「動向」に掲載されていたというのが興味深いですね。ちなみに以下が「動向」「争鳴」のサイトです。

 http://www.chengmingmag.com/
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[516]たぶん、「動向」違いだと思い...
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 ゆう E-MAILWEB  - 05/6/18(土) 2:34 -

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   こちらの掲示板は常時ウオッチしておりますので、ちっとも「初めまして」という気がしないのですが(^^)


こちらのは、「動向社」というマイナー出版社から出ている、右翼系雑誌の「動向」です。

「動向」という言葉はほとんど「普通名詞」で、このキーワードで検索すると関係のないものが大量に出てきますので、この雑誌までたどりつくのが大変でした。こんな雑誌、本当に存在するのかなあ、と投げ出しかけたくらいです(^^;


ついでに、この雑誌の面白そうな記事をいくつかコピーしてきたのですが、その中にこんな文章がありました。

「しかし、やっぱり銃剣刺殺といふのは、どう考へても虐殺だらうと思ふのです」

「さういふことで捕虜の不法殺害、虐殺は相当あつたといふことは認めざるを得ないわけです。それを認めてもいいと思ふ。その部隊の不名誉にはなるかもしれないけどこれは仕方がない。あつたことを無かつたといふことは出来ない」

種明かしをしますと、これ、何と、あの中村粲氏の文章です。(平成12年5月号「屈辱外交からの脱出(下)P41)

もっとも、「銃殺」は虐殺ではないとか(!)、二十万・三十万市民の計画的殺害はないとか(誰がそんなこと、主張している?)、ちょっとトンでいる主張とセットになってはおりますが。
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[517]Re(1):たぶん、「動向」違いだ...
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 あっちゃん  - 05/6/18(土) 7:18 -

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   ▼ゆうさん:
>こちらのは、「動向社」というマイナー出版社から出ている、右翼系雑誌の「動向」です。
>
>「動向」という言葉はほとんど「普通名詞」で、このキーワードで検索すると関係のないものが大量に出てきますので、この雑誌までたどりつくのが大変でした。こんな雑誌、本当に存在するのかなあ、と投げ出しかけたくらいです(^^;

 そうなんですか(^^;)^^;) 日本にも同じ名前の雑誌があったとは知りませんでした。こちらの勘違いですね、済みませんでした。m(_ _)m
28 hits

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